David Blecken
2018年9月10日

スポンサーにも恩恵をもたらす、大坂なおみ選手の謙虚さ

テニス全米オープン優勝者の類まれなキャラクターはスポンサーにとって、競技の実力と同じくらい魅了的かもしれない。

スポンサーにも恩恵をもたらす、大坂なおみ選手の謙虚さ

大坂なおみ選手が8日、全米オープンの決勝でセリーナ・ウィリアムズ選手と対戦し、見事優勝した。同選手のスポンサーである日本ブランド(日清食品、シチズン時計WOWOW)にも、恩恵が及ぶだろう。

大坂選手は2016年、日清食品(所属契約)とWOWOW(イメージキャラクター契約)との契約を結んでいる。シチズン時計は今年8月に、ブランドアンバサダー契約を締結した。

日本人の母親とハイチ系アメリカ人の父親を持つ大阪選手は、グランドスラム(四大大会)を制覇した初の日本選手だ。日清食品は国際的に高く評価される錦織圭選手とも2012年に所属契約を締結しているが、グランドスラムのタイトル獲得には至っていない。

両選手を含むトップアスリートを応援する、同社の特設サイトには「Hungry to Win」というスローガンが掲げられている。

日清食品のホームページには、日本人初の四大大会制覇で「世界沸騰!!」との字が並ぶ。また同社の安藤宏基社長の「いずれやってくれるとは思っていたが、こんなに早いとは」というコメントを、朝日新聞が紹介している。

日清食品は現在のところ、大坂選手の快挙に関連した新たな動きを発表していない。同社は5月、大迫勇也選手(サッカー)が高校時代に相手校キャプテンから「大迫、半端ないって!」と悔しがられたという逸話を、パロディー化したCMを発表した。このCMが今回の大坂選手の快挙を機に、再度注目を集めている。

あまり日本語が流暢でなく、ユーモアセンスが独特な大坂選手は、日本のメディアで異色な存在として扱われることもあった。だが彼女は人々の心を惹きつける魅力があり、スポンサーにとって非常に貴重な存在だろう。

今回の決勝戦では、審判への態度が原因でウィリアムズ選手がペナルティを取られてブーイングが発生、表彰式でもブーイングは続いた。ペナルティについては賛否が分かれる試合となったが、優勝した大坂選手は「皆がウィリアムズ選手を応援していたことは知っているし、このような結果に終わったことは残念」と挨拶。この異例な行動を、日本らしいと捉える者も。彼女の謙虚な姿勢は、国内外の観客に感動を与えた。

試合後のインタビューで食べたいものを聞かれた大坂選手は、日清食品については触れず、「とんかつ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスが食べたい」と話した。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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