Campaign USがリンクトインで行ったアンケート調査の結果によると、広告主らの多くは、イーロン・マスクCEOが有料化した認証バッジ「ツイッター・ブルー」には対価を支払う価値はないと考えていた。
マスク氏は2022年12月、ツイッター・ブルーを有料サービスへとリニューアルした。認証を求めるユーザーは、青いチェックマークを維持するために月8ドル(iPhoneユーザーは月11ドル)を支払う必要がある。この新プログラムは11月29日に開始される予定だったが、なりすましアカウントが認証バッジを取得するケースが頻発したせいで延期されていた。
2022年春に、資産家のマスク氏がツイッターを買収する意向を表明して以来、ツイッターのブランドセーフティに及ぼす同氏の影響がトップニュースで頻繁に取り上げられるようになり、それを警戒した広告主上位100社の3分の1以上が、この買収騒動の初期から広告を引き上げ始めていた。
買収から53日の間に、ツイッターは大規模なレイオフを行い、物議を醸した停止アカウントを復活させ、ジャーナリストのアカウントを突然停止し、外部助言組織の「信頼・安全協議会」も解散した。さらに最近、マスク氏が「私はCEOを辞めるべきか」と問いかけた投票では、回答者の半数以上が賛成票を投じた(これを受け、同氏は後任が見つかれば辞任すると表明した)。
こうした混乱のなか、多くのエージェンシーがクライアントに対し、ツイッターのアカウントを停止して二度と再開しないようにと呼びかけている。
アンケート調査によると、広告主らは、ツイッターの迷走がブランドの信頼を傷つけ、顧客が非難の対象となることを懸念していた。その結果として、広告主の85%はツイッター・ブルーには対価を支払う「価値がない」と結論づけている。
「今はさらに踏み込んで、ツイッターそのものを避けるようにクライアントに忠告している。ブランドセーフであるべき環境が、あまりにも予測不能だからだ」と同氏は述べている。
アドテク企業コンステレーションの共同設立者でCEOも務めるダイアナ・リー氏も、Campaign USへのメールで同様の懸念を示した。
「ツイッターのかつての象徴的な青い認証バッジは、無料だが、影響力のある企業や著名人だけに与えられてきた」と同氏は言う。「しかし、サブスクリプションモデルに移行し、誰でも簡単に認証を購入できるようになったことで、バッジがもつステータスは薄れ、その信頼も失われつつある」
「ツイッターの将来はまだ不確かだ。新しいCEOが就任する可能性もある。私が推奨しているのは、一段落するまではツイッター・ブルーを選択するのは控えるということだ。2023年に、ツイッターにさらなる変化が訪れるまでは、様子見するのが賢明だ」
ヘクサのマーケティング・コミュニケーション部門ディレクター、ファビアナ・メレンデス・ルイズ氏は、アンケート内のコメントで、認証のために対価を支払うことは、かえってブランドの信頼性を低下させるため、クライアントにはツイッター・ブルーのサブスクリプションに加入しないよう助言していると述べている。
「結局、ブランドはそれから何を得られるというのだろうか?長く存続するかどうかもわからないツールを早期に導入する意味は何?」と同氏は問う。