パワーリスト2023 #AuthenticLeaders |
足立光
ファミリーマート
チーフマーケティングオフィサー
(2021年より3年連続で選出)
足立光氏がコンビニ大手ファミリーマートのチーフマーケティングオフィサー(CMO)に就任したのは、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2020年10月のことだ。だがこうした逆境を同氏はものともしなかった。
ベテランマーケターはCMO就任後、新商品「ファミから」や「ファミマ・ザ・クリームパン」などで次々と同社の売上記録を更新。これらのキャンペーンも功を奏し、他のコンビニチェーンを抑えて21カ月連続で総来客者数のトップを維持した(2021年4月〜2022年12月)。
足立氏の成功戦略の鍵は「遊び心」だ。日本でフライドチキンの売上げが普段の10倍になるクリスマスシーズンに向け、昨年は人気商品「ファミチキ」のユニークなキャンペーンを展開。ライバルとなるケンタッキーフライドチキンを意識し、「日本で2番目に人気のチキン」というキャッチフレーズを考案した。これが反響を呼び、売上高は大きく増大。
同氏はファミリーマートだけでなく、マーケティング業界全体にも貢献する。国内外のトップマーケターが一堂に会する日本有数のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」ではカウンシルメンバーを務め、スピーカーの手配に尽力。
また、LGBT+コミュニティーへのサポートも積極的だ。東京レインボープライドの期間中、ファミリーマートは数々の商品のパッケージにレインボーをあしらい、収益の一部を複数のLGBTQ支援団体に寄付。日本のコンビニチェーンでは唯一の取り組みだった。
後進の指導にも熱心で、これまで無償で一橋大学や早稲田大学などでマーケティング講座を開講。
ファミリーマート参画以前は数々の企業で要職を歴任した。2015年〜18年にかけては日本マクドナルドのCMOとして、株式上場以来最大の赤字を記録した同社のV字回復に大きく貢献。
2018年には「ポケモンGO」などを開発するナイアンテック・アジア・パシフィック社のプロダクトマーケティングシニアディレクターに就任したが、2年足らずで退社。その理由は、「コロナ禍の影響で予定していた大規模プロジェクトが実行できず、いただいている報酬に見合う働きができなくなったから」と述べている。
パワーリスト2023 #AuthenticLeaders |
(文:Campaign Asia-Pacific編集部 翻訳・編集:水野龍哉)