カルビーは、博報堂、クリプトゲームス、データゲートウェイと共に、ポテトチップスのおまけとしてNFT(非代替性トークン)を配布するキャンペーンを4月中旬から5月末まで実施した。商品を購入するごとに、NFTのキャラクターが段階的に成長していく仕組みになっている。
もともとカルビーでは2020年9月から、購入者とのコミュニケーション施策としてスマートフォンアプリ「ルビープログラム」を導入している。このアプリではパッケージの廃棄時の嵩を減らすため、対象商品のパッケージを小さく折りたたんでスキャンするとポイントが貯まり、商品などと交換できる。また2022年7月にはカルビー、博報堂、クリプトゲームスが、農業体験ゲーム上でNFT施策を実施していた。
今回のキャンペーンでは、対象商品を購入すると、おまけとして「ポテトNFT」がついてくる。折りたたんだパッケージをアプリに登録すると、そのたびにポテトNFTが成長していき、5回登録すると架空の世界「じゃがバース」のキャラクターを獲得できる。
NFTをキャンペーンに活用した理由について、博報堂ミライの事業室 佐野拓海氏は「NFTはユーザーの手元に残り続けるものです。NFTを配布することで、商品購入後もユーザーとの関係性を、NFTを通して築いていけるのではないかと考えました」と説明する。
キャンペーン期間中は、キャラクターを育てるために何度も商品を購入するユーザーや、アプリのアクティブユーザーが増加した。成長の過程をSNSに投稿するユーザーもみられた。
また、カルビーでは商品に使われたじゃがいもの品種、生産者、地区などを検索できるサービスを以前から行っているが、今回のキャンペーンではじゃがいもの品種をキャラクター化したことから「素材への興味向上の効果もあったと感じています」(佐野氏)。
キャンペーンはすでに終了しているが、獲得したNFTは手元に残り続ける。また「今後はNFT保有者に対して、限定体験を提供していきたいと考えています」と展望を述べた。
(文:田崎亮子)