男子車いすテニスで世界ランクナンバーワンのゴードン・リード選手が、ユニクロのグローバルブランドアンバサダーに就任した。リード選手はスコットランド生まれで、車いすテニスに転向した2年後の15歳のときに、英国人選手として最年少のシングルス国内チャンピオンとなった。リオパラリンピックでシングルス金メダル獲得、ウィンブルドン優勝などの実績を持つ。
リード選手はユニクロブランドと「LifeWear」コンセプトを広めていく他、商品開発に生かすためのフィードバックや、世界各地での社会貢献活動に取り組んでいく。
ユニクロの代表取締役会長兼社長である柳井正氏はプレスリリースの中で、リード氏のことを「苦難に打ち勝つ強い心で、車いすテニスの最高峰に登り詰めた」選手で、ユニクロのアンバサダーにふさわしい資質の持ち主だと説明。グローバルブランドアンバサダーには他に、国枝慎吾選手(車いすテニス)、錦織圭選手(テニス)、アダム・スコット選手(ゴルフ)や、女性で初めてのアンバサダーに昨年就任した南谷真鈴氏(冒険家)がいる。
Campaignの視点:
多様なアスリートとの提携を継続的に進めるユニクロの姿勢には、励まされるものがある。あらゆる人を社会から排除しない「インクルーシブネス」の推進は日本社会にとって大きな前進となり、日本発のブランドが2020年東京大会に先んじて積極的に発信していくことは大変有意義だ。
障害を抱えたアスリートと契約しサポートするこのような動きが、もっと多くのグローバルブランドからも出てくることを期待したい。障害者だから支える、という意味ではなく、彼らの偉業は健常者アスリートと同等に評価されて然るべきであるからだ。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)