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デジタルメディアの品質調査、日本は芳しくない結果に
日本のデジタルメディアのビューアビリティは対象国中で最下位を記録し、アドフラウドもグローバル平均と比較して3倍以上高い――。世界15カ国のデジタルメディア品質指標を調べたインテグラルアドサイエンスの「メディアクオリティ レポート2020年上半期版」で明らかになった。
プログラマティック広告のビューアビリティは各国で向上しており、日本もデスクトップ57.4%(前年同期比+15.1ポイント)、モバイル51.9%(前年同期比+17.7ポイント)と顕著な改善を見せたが、3年連続で世界最低の数値だった。アドフラウド率も、世界は1%未満の低い水準を維持しているが、日本は2.8%と突出して高い。「アドフラウド対策の導入や、ads.txtを意識したバイイングが広く実施されているとは言えず、特にプログラマティック広告において今後もアドフラウドが増加する可能性があります」と同社は指摘する。広告が不適切な掲載面に表示されないよう対策を講じる広告主が増え、ブランドリスクの平均値は世界的に低下しているが、日本は10.9%(モバイルウェブディスプレイ)と、ここでも最もリスクが高い国となってしまった。
グーグル、消費者の変化をとらえるサービスを提供予定
グーグルは、検索された語句をもとに消費者の需要や行動の変化を分析し、広告主に提案する「インサイト・ページ」のベータ版を、年内に公開予定だと発表した。例年以上に目まぐるしく変わる消費者インサイトをとらえ、どの地域に何を発信すれば効果的なのかが明らかになるというものだ。
また、グーグルやユーチューブなど同社の全てのサービスで広告枠を自動的に購入し、最大化する「パフォーマンス・マックス」キャンペーンについても発表。画像や動画などをアップロードすると、機械学習によってその最適な組み合わせを試し、レポートしてくれる。まだアルファ版の試験運用中で、ベータ版は2021年早々に公開となる予定だ。
ツイッター、誤情報の拡散抑制機能を開発中
ツイッターが、「バードウォッチング」という新機能を開発中だ。誤情報や根拠が不確かなツイートを、ツイッター社のモデレーターに報告したり、誤情報だと思われる理由を書き込んで公開できる機能のようだ。今年8月にジェーン・マンチュン・ウォン氏(アプリ研究者)が発見してツイートし、その後は同氏とマット・ナヴァラ氏(ソーシャルメディアコンサルタント)が詳細を明らかにした。
ツイッターの投稿内容を監視する「モデレーション」の役割をユーザーにも担ってもらう機能だが、広く一般のユーザーが報告できるのか、選ばれたごく一部のユーザーを対象とするのかは未定だ。ツイッター社はCampaignの取材に対し、「まさに開発中の機能」であることを認めた。
大規模火災の教訓を語り継ぐ
豪州では昨年9月から今年2月まで大規模な森林火災が続き、26名が犠牲となり、2000軒超の家屋が焼失した。今年も火災が多発するシーズンが始まるが、それに先駆けてニューサウスウェールズ地方消防局が動画を公開した。制作はワンダーマン・トンプソン・オーストラリア。火災で家を焼かれた男性が「振り返ってみると、私には十分な準備ができていなかった」と、自らの経験や教訓を淡々と語り、建物の耐火性能を高めておくこと、そして備えておくことを呼びかける。
ジェンダーを超越した制服デザイン
オグルヴィ台北、コンデナスト台湾、デザイナーのアンガス・ジャン氏(Angus Chiang)が、ジェンダーレスな制服デザインを発表した。新北市(台湾)の学校でジェンダーステレオタイプやいじめの抑止のため、異性の制服を着ることができる日を決めたという話に着想を得て、ジェンダーニュートラルな制服コレクションをデザイン。随所に配置されたドローストリング(引き紐)によって、好みのシルエットに変えることができるとジャン氏は語る。学校側が正式にこの制服を採用するかは、現時点では未定だ。
(文:田崎亮子)