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経験者からの警告 「絶滅を選ぶな」
10月31日から11月12日まで、COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)がグラスゴーで開催されている。これを前に国連開発計画(UNDP)が公開した気候変動アドボカシー(政策提言)キャンペーンでは、議場にヴェロキラプトルが登場し、今すぐ行動を起こすよう人々に呼びかける。
「絶滅については詳しい」と話し始めたヴェロキラプトルは、こう続ける。「言うまでもないことだが、絶滅なんてしない方がいい。自ら絶滅するなんて、過去7000万年の中で最も愚かな行為だ。恐竜の絶滅は隕石が原因だったが、人類の言い訳は?」。そして各国政府が莫大な金額を化石燃料の補助金に充てていることを指摘し、「もし恐竜が補助金を巨大隕石に費やしていたら?」と想像させる。キャンペーンサイトには、化石燃料の使用をやめない数々の言い訳と、それに対する解説が掲載されている。
この「経験者」ならではの説得力ある演説には、オバマ元大統領のスピーチライターを務めたデイビッド・リット氏も携わっている。企画・制作はアクティビスタ、フレームストア、ワンダーマン・トンプソン・オーストラリア、マインドプールなど。
アップル、規制強化に対する消費者の反応は「非常にポジティブ」
アップル社の第4四半期(7~9月)の決算発表によると、売上高は834億米ドル(前年同期比29%増)で、同期としては過去最高を記録した。全ての地域で2桁成長を遂げ、特に中華圏(145億米ドル、同83%増)やアジア太平洋地域(52億米ドル、同26%増)での成長率が高かった。
また、iOS14.5から導入したATT(アプリのトラッキングの透明性)について、消費者の反応は「非常にポジティブ」だとティム・クックCEOがコメント。「追跡されるかどうか選択できることを、消費者は高く評価しています」。ATTについては先日メタ(旧フェイスブック)が、ターゲティング広告の精度が低くなったことで広告の成長が鈍化したと発表している。
WPPの業績も力強く回復
WPPの第3四半期(7~9月)の収益が、前年同期比15.7%の増加となった。マーク・リードCEOがCampaignに語ったところによると、2020年は全体で8.4%減少し、2021年にはその半分の回復を予測していた。だが年間を通して予想を上回るパフォーマンスを発揮したという。
また、アップル社のATTについて「データに対する顧客の姿勢を変える要因の一つ」と述べた。「データがビジネスにとってますます重要になっていくこと、そしてデータをプラットフォームに依存する戦略ではもはや十分でないことを、クライアントは認識しています」。規制強化による変化は、短期的には「クライアントにそれほど重要ではない」と言うが、「長期的には、一貫したデータ戦略が必要となります。そして非常に明確な戦略を打ち出せているクライアントは、現時点ではほとんどいないと思います」。
話し手の雰囲気も視覚的に表現
ポッドキャストを聴覚に障害のある人や音声無しで視聴したい人も楽しめるようにするには、話された内容の字幕や文字起こしなどの視覚情報が必要になる。このたびヴォックス・クリエイティブ(Vox Creative)が立ち上げた「More Than This」は、内容を正しく伝えるだけでなく、話し手の独特の間や、感情などを視覚的に表現している。
6回シリーズのこのポッドキャストには、学校に行くことをやめてインクルーシブ(包摂的)なビンテージ通販を始めたカーラ・ラヴェット氏や、ロックダウンやブラック・ライブズ・マター運動をきっかけにサワードウを使った酸味のあるパンを売り始めたアズィキウェ・アンダーソン氏など、人生のターニングポイントにおいて型破りな意思決定をした人々が登場する。話者の雰囲気を伝えるべく、書き起こし文は文字の大きさや背景の色、イラストが変わっていく。
電通のCCOに佐々木康晴氏が就任
電通の佐々木康晴氏が、クリエイティブ部門を統括するチーフ・クリエーティブ・オフィサー(CCO)に11月1日付で就任した。1995年に入社後、コピーライター、インタラクティブ・ディレクター、クリエーティブ・ディレクターなどを経て、2011~2013年は電通アメリカ(ニューヨーク)に出向。カンヌライオンズ、D&AD賞、クリオ賞などの広告賞を多数受賞し、審査委員長の経験も多い。
また同日に、海外事業を統括する電通インターナショナル社のグローバル・チーフ・クリエイティブ・オフィサー(グローバルCCO)にフレッド・レブロン氏が就任した。オグルヴィ・パリ、CAAマーケティングを経て、2016年からはインターパブリック傘下のFCBにてクリエイティブの改革を牽引。2020年と2021年のカンヌライオンズでは、同社に「ネットワーク・オブ・ザ・イヤー」をもたらした。
新しい家族との絆をストーリーテリングで深める
ディズニー社がクリスマスに向けて、3分半の短編動画を発表した。難病と闘う子どもたちの夢を叶える団体「メイク・ア・ウィッシュ」の活動を支援するもので、昨年からの続編になっている。主人公のローラとその孫娘ニコールが、クリスマスにフィリピンで飾られるランタンを作る昨年の動画は、世界中で1億以上視聴されるなど大きな反響を呼んだ。
今年の作品「Stepdad」ではそのニコールと2人の子どもたち(マックスとエラ)が、新しい父親マイクと初めてのクリスマスを迎える。かつて実父が子どもたちに贈った本が、新しく家族になった四人の絆を深めていく。動画内には隠れミッキーや、映画『トイ・ストーリー』に着想を得たランプ、ディズニーランド・パリのスノードームなどが忍ばせてあるという。
(文:田崎亮子)