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WFAと国連女性機関、人種差別に対するアクションを呼びかけ
世界広告主連盟(WFA)と国連女性機関(UN Women)の「アンステレオタイプ・アライアンス(The Unstereotype Alliance)」は9日、ダイバーシティー、インクルージョン、そして世界中で抗議活動が行われる「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」運動に関して、世界的なアクションを求める公開書簡を掲載した。
アンステレオタイプ・アライアンスは、広告において恒久化している有害なステレオタイプを撤廃するため、2017年に国連女性機関(UN Women)が招集した業界イニシアチブ。プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長は公開書簡の中で、あらゆる人に正義と安全がもたらされる社会を再構築する機会が訪れており、新型コロナウイルスの影響によって緊急性が高まったこと、そしてWFAと連携していくことで世の中を良い方向へと変えていけると信じていると記した。「広告業には、社会を形づくる価値観に影響を与える大きな力があります。今すぐ行動に移し、特権的な地位を無駄にしないでください」
WFAのステファン・レールケCEOも「不寛容さに立ち向かうことは、私たちの世代の大きな課題の一つ」とし、新型コロナウイルスが人種格差を悪化させ、今われわれは分岐点に差し掛かっていると指摘。コミュニケーションを通じて、多様性の描写が当たり前になっていくことに思いを馳せた。
差別の歴史 本質をいかに伝えるか
米CNNとセサミストリートは、抗議活動の意味や人種差別について解説する動画を制作した。人気キャラクターのエルモが「なぜ外で人が集まっているのか」「抗議活動とは何か」「人種差別とは何か」と素朴な疑問をぶつけ、父親が答えるという構成。自分には何ができるかと問うエルモに、「まず学び、起きていることについて話し、行動を起こすこと」と教える。
NHKの番組「これでわかった!世界のいま」が7日、米国の人種問題を取り上げたところ、アニメーション内で黒人キャラクターが荒々しい口調で語るなどのステレオタイプ的な表現に、多くの批判が集まった。ジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使もツイッターで「米国の複雑な人種問題を取り上げようというNHKの意図は理解できますが、残念ながらこの動画には、必要な配慮や注意が欠けています。用いられている絵は侮辱的で無神経です」と投稿している。9日にNHKは謝罪文を公式サイトならびにツイッターアカウントに掲載した。
ディズニーのボブ・アイガーCEOは今年の株主総会で、「時代に適していない」という理由から1946年の映画『南部の唄』を、Disney+(動画配信サービス)で配信しないと明言。この映画は、米国南部の奴隷の暮らしを美化しており歴史誤認を招くとして、長らく批判されてきた。ディズニーランドの人気アトラクション「スプラッシュ・マウンテン」もこの映画を題材にしていることから、別のテーマに再設定するべきとの声がファンの間で上がっていると報じられている。同園は過去にも、アトラクション「カリブの海賊」の女性売買シーンを削除したことがある。
ファーウェイ、5G参入に向けて英国で広告キャンペーン
中国通信機器大手ファーウェイが、英国の主要各紙に全面広告を掲載した。同社の第5世代移動通信システム(5G)参入を認めると中国政府に機密情報がもれるリスクがあるとして英保守党議員が反発、英政府は同社の関与を制限する方針だ。広告には「我々は過去20年間、英国のモバイルおよびブロードバンド企業に3G、4Gを提供してきました。だが現在英国では、我々の5G展開が疑問視されています」と記され、今後も5Gを提供していく意欲があること、雇用を創出していくことなど、英国への“コミットメント”を示している。
コロナを乗り越えた人々がポスターに登場
BBDOシンガポール、OMD、クリアチャンネルは、新型コロナウイルスと闘う医療従事者に感謝を伝える屋外ポスターを制作、病院の近隣300カ所に掲出した。ポスターに登場するのは新型コロナウイルスに感染し、その後回復した人々。撮影したのはベルギーの写真家、ジェフ・ボーズ氏で、iPadで無料通話アプリ「フェイスタイム」を用いて撮影された。
世界各地の窓から、日常の景色を楽しむ
続いてご紹介するのもシンガポールの作品で、こちらは世界各国の窓からの眺めを楽しめるサイトだ。長引く外出制限で、毎日同じ景色を眺めることに飽きたヴァイシュナヴ・バラスブラマニアム氏(レオ・バーネットのクリエイティブディレクター)、ソナリ・ランジット氏(BLKJのアートディレクター)夫妻は「今は移動せずに旅行しよう」と、さまざまな窓の映像を切り替えられるサイトを立ち上げたという。こちらから映像を提供することもできる。
(文:田崎亮子)