Brandon Doerrer
2024年2月22日

「ゲームに参入すべきか」の問いに答える、ディズニーのエピック投資

ブランドは「どのようにゲーム市場に参入するか?」を検討すべきだと、ゲームの広告主は考えている。

「ゲームに参入すべきか」の問いに答える、ディズニーのエピック投資

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

 ディズニー(Disney)は2月7日、「フォートナイト(Fortnite)につながるエンターテインメントの世界」の構築の一環として、エピックゲームズ(Epic Games)に15億米ドルを出資して株式を取得すると発表した。

このエンターテインメントの世界がどのようなものになるのか、ディズニーとエピックゲームズは詳細な説明を行わなかったが、公開された予告動画にはマーベル(Marvel)、ピクサー(Pixar)、ルーカスフィルム(Lucasfilm)、ESPN関連の知的財産が登場するフォートナイトの島々が描かれている。

ディズニーはプレスリリースの中で、「ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ(Star Wars)、アバター(Avatar)などのコンテンツやキャラクター、ストーリーをプレイしたり、視聴したり、ショッピングしたり、エンゲージしたりといった多くの機会を消費者に提供する、永続的なユニバース」を構築すると説明し、開発にはアンリアルエンジン(Unreal Engine、ゲーム制作用エンジン)を使うことも明らかにした。

その世界観は、12月7日にリリースした新しいゲーム「レゴ フォートナイト(Lego Fortnite)」に似ている。これはレゴブロックで構成されたような世界で建造物を作り、生き抜くというサバイバルゲームだ。

ディズニーは以前にもエピックと提携し、フォートナイトにマーベルとスター・ウォーズのスキン(キャラクターの衣装)を投入したことがある。

エピックゲームズがフォートナイトをロブロックス(Roblox)のようにソーシャルなメタバースプラットフォームに変えようとしている中、ディズニーの今回の投資によってさまざまな知的財産を中心とした新しいゲームモードが生まれることを、ゲームに出稿する広告主は期待している。ディズニーは2023年3月にメタバース部門全体を解雇しており、今回の投資のタイミングは奇異に映る。エピックゲームズも昨年9月に、従業員の16%にあたる約830人を解雇している。

ディズニーならびにエピックゲームズからのコメントは得られていない。

「私の勘だと、ディズニーは知的財産(に関連するコンテンツ)を持つことになるでしょう」と語るのは、ムーンロック・ラボ(Moonrock Labs)の共同創業者兼CEOであるジョン・ベンヤミン氏だ。「マーベルやスター・ウォーズなどのユニバースで知的財産を大量に所有することから、フォートナイトとの提携は非常に賢明です」。

ディズニーのゲーム体験や膨大な知的財産を考慮すると、ディズニーがこの規模の投資を行うのは、これまで若い消費者の共感を呼んできたプラットフォームやメディアに対して大手ブランドが全幅の信頼を寄せているからというのが、ベンヤミン氏を含むゲームの広告主の見方だ。

ディズニーのボブ・アイガーCEOは、2月7日に行われた同社の2024年第1四半期決算説明会で投資家からの質問に回答し、この見方を裏付けた。

「Z世代、α世代、そしてミレニアル世代が総スクリーンタイムのうちビデオゲームに費やしている時間は、テレビや動画の視聴に費やしている時間に匹敵し、私にとっては衝撃的でした」とアイガー氏。「そして私が出した結論は、我々はそこに参入しなければならない、それも非常に説得力のある方法で、可能な限り早く実現しなければならないというものでした」。

「そして我々が映画やテレビで生み出した知的財産をテーマパークで表現するのと同じように、ゲームでもそれができれば素晴らしいと考えました。また我々にとって15億米ドルの投資は、ゲームに参加してパートナーシップを強化するだけでなく、会社にあまりにも大きなリスクを生じさせない方法でワールドを構築する方法でもあるのです」。

ActivePlayer.ioによると、フォートナイトの過去30日間の平均月間プレーヤー数は2億3,700万人で、ピーク時には1日で6,400万人を記録した。

ウィーアーソーシャル(We Are Social)のゲーム部門グローバル責任者であるレイチェル・ラコウスキー氏は、ディズニーがフォートナイトで仮想テーマパークを作るのではないかと予想している。

「実際のディズニーのテーマパークは、お気に入りのキャラクターと触れ合い、魔法のような世界に足を踏み入れることができる、居心地の良い場所です。そしてこれらすべてが、デジタルでも現実世界でも手が届くようになるのです」と同氏はコメントを寄せた。「自分たちが作ったゲームをオーディエンスが支持するだけでなく、購入したいとまで思ってもらうのは非常に困難なもの。フォートナイトは複数のプラットフォームで無料で遊べるので、参入障壁はほとんどありません」。

また、ディズニーのエピックゲームズへの投資はフォートナイトに限ったことではない点にも言及する。つまりメディア大手が、アンリアルエンジンにアクセスできるようになることを意味するのだ。

「テーマパークのイマジニアリング(イマジネーション+エンジニアリング)においてアンリアルエンジンが大きな役割を果たし、さらにバーチャルの世界とディズニーパークを結びつけるような体験が生まれる可能性があります」と同氏。「ディズニーパークで『トイ・ストーリー』のアトラクションに乗っている人と、フォートナイトのユニバースで同じクエストをプレーしている人が、リアルタイムで対戦するような体験を実現できるかもしれません」。

ディズニーのエピックゲームズへの投資は、ゲームに投資してきた他ブランドにも妥当性を示すものだと、ムーンロックのベンヤミン氏は言う。提携によりこのメディアに大きな注目が集まることを考えると、ブランドの「ゲーム業界に参入すべきか?」という疑問が払拭され、「どのようにゲーム市場に参入するか?」が検証され始めるだろうというのが同氏の予測だ。

この前者の疑問が払拭されることで、ゲーミングのプラットフォームでどのような指標に注目すればよいのか、ゲームを売上に結びつけることは可能なのかといった疑問への、広告界の対応力も加速し始めるかもしれない、と同氏は付け加える。

広告主は、ゲームへの投資の売上への貢献度を明らかにすることに、長い間苦労してきた。測定フレームワークが限られていることから、相関関係と因果関係を同一視してしまう危険性があるためだ。

そこで、数々のブランドが代わりの策を模索してきた。たとえばヒルトン・ホテルズ(Hilton Hotels)は1月から、ロブロックスでのプレーと連動した初のリワードプログラムを開始した。

ゲーム投資の貢献度にはディズニーも関心があるようで、アイガー氏は決算説明会で、フォートナイトを通じてデジタル商品と物理的な商品の両方を販売する機会があるかもしれないと言及している。

同氏はまたソーシャルメディア上での、フォートナイトを取り巻く強固なクリエイターエコノミー(クリエイターの収益プログラム)に興味を示し、ゲーム広告主からの賛同を得た。

「このディールの核となるのはディズニーの知的財産であり、知的財産に必要なのはインプレッション、エンゲージメント、コミュニティーです」と、ローデッド・アンド・オープンワールド(Loaded and Open World)の最高商務責任者であるイリナ・シェームズ氏は言う。「では、コミュニティーはどこにあるのか? それはクリエイターの経済圏の中にあります」。

フォートナイトはロブロックスやマインクラフト(Minecraft)と並び、ブランドの間で人気がある(ロブロックスほどではないが)。フォートナイトでは通常、3カ月のシーズンごとに5~20個のブランデッドゲームが公開される。

かなりの数のブランドがこれら3つのゲーミングプラットフォームを優先したため、飽和状態になったと多くのゲーム広告主が懸念を示す一方で、興味を示さない広告主も多い。

ディズニーのエピックゲームズへの投資は、この混み合ったゲーム広告にまつわる雑音を振り払うのに役立つはずだ。また、フォートナイトへの注目度がさらに高まる可能性が高い一方で、広告業界がゲーム全体に注目するようになればニッチなプラットフォームも恩恵を受けるだろうと、ローデッド(Loaded)の共同創業者でクリエイター収益化の責任者も務めるブランドン・フライタグ氏はみている。

「パンデミック期を例に挙げると、フォートナイトがブームになったとき、エコシステム全体がブームになりました」。

提供:
Campaign US

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