1. ユーチューブの動画に批判が殺到
子どもの扱いが不適切 −− グーグルのプラットフォームで配信されていた動画にこうした非難が集まり、同社は今週多くのチャンネルを停止した。2011年以来70万ビューを記録している最も人気の高いチャンネル「トーイフリークス(Toy Freaks)」もこれに含まれている。動画には、オペレーターの娘たちが本物のヘビに怯えるシーンなどがある。配信停止を求めた広告主は、ヤマハミュージックや米オンラインサービスのドロップボックス、英国の携帯電話会社O2など。ユーチューブはCampaignに対し、「子どもの安全性を最大限に考慮しており、関連するコンテンツのチェックをより幅広く実施していく」と語った。
2.ヘッジファンド、WPPを見限る
WPP株の0.51%を保有する英ヘッジファンドのマーシャル・ウェイスは、同株が下がり続けるという予測からそれらを空売りした。WPPは依然として世界最大の広告代理店グループだが、その評価額は今年3月から3分の1以上値下がりし、現在は160億英ポンド(約2兆4480億円)。だが米投資調査会社ピボタル・リサーチのアナリストを務めるブライアン・ウィーザー氏は、「WPP株は必ず持ち直す。WPPは起業家的な不安定さとは無縁ですから」と語っている。
3.テンセント、超一流企業に仲間入り
中国のテクノロジー大手テンセント(騰訊)が、アジアの企業として初めて評価額が5千億米ドル(約56兆5千億円)を超えた。これはフェイスブックやアップルと肩を並べるもの。先週Campaignは同社の総収入の17%が広告収入であることを報道した。深圳を拠点とするテンセントの成長は破竹の勢いで、中国政府も人工知能(AI)や他の先端テクノロジーを「国の将来」とうたっている。問題は、巨大化する同社に中国政府がいつ介入に乗り出すかということだろう。
4.インスタグラムのライブ配信、1年でスナップチャットを駆逐
「インスタグラムストーリーズ」のユーザーが1日で2億5千万人に達し、スナップチャットの1億7300万人を上回った。英コンサルティング会社ウィーアーソーシャルのローラ・マルドゥーン氏はその成功要因として、「インスタグラムのスマートさと優れたユーザビリティー」に言及。実際、インスタグラムは親会社であるフェイスブックをも凌いでいる。インスタグラムの今年3月から9月にかけてのインプレッションとリーチ数は、フェイスブックを20%上回った。「2018年のソーシャルメディアプラットフォームこそ、インスタグラム」と見る筋は多い。スナップチャットは依然若年層で支持されているものの、インスタグラムは主流のプラットフォームとしての地位を固めるべく、更なる成長を続ける。
5.外国人高度技能者にとって、日本は魅力薄
スイスのビジネススクールIMDの発表した「ワールド・タレント・ランキング」によると、海外の高度技能者にとって働く環境としての日本の魅力はアジア11カ国中最低だった。アジアで最も高かったのはシンガポールと香港で、日本は世界ランクで63カ国中51位。日本政府はより多くの高度技能者を海外から呼び寄せる必要性を認めてはいるものの、労働環境に柔軟性が欠け、言葉の壁があるという印象から彼らに敬遠されているようだ。こうした一面が日本の数多くの美点に影を投げかけているのは残念なことだが、今からでも状況は変えられる。日本はAIやIoT(モノのインターネット)、ビッグデータといった分野で明らかに高度専門家が不足しており、これらの領域で競争力強化を狙うのであれば、まずは海外からの人材の受け皿を作るべきだろう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)