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利益率が向上したピュブリシスで過去最高額のボーナス
ピュブリシス・グループ(Publicis Groupe)が2023年度の業績を発表し、5.40億ユーロと過去最高額のボーナスを支給することが明らかになった。純収益は131億ユーロ(前年比6.3%増)。純利益率は18%で、競合するWPPやオムニコム、インターパブリックなどの純利益率(15~16.7%)を上回る結果となった。
2023年の年末時点での従業員数は103,295人で、前年(98,022人)から増加し、固定人件費は75.3億ユーロ(同6%増)だった。一方で、フリーランスへの支出は3.32億ユーロ(同27%減)と前年(4.56億ユーロ)から大幅に削減。同グループは業務改革AI「マルセル(Marcel)」を社内リソースの配置に活用し、エージェンシー間で人員を移動したことも人件費抑制につながったと説明する。
アーサー・サドゥーンCEOは「大退職時代(The Great Resignation)は終わり、今の大きなテーマはオフィスへの回帰です」とコメント。同社では1月から全社員の週3日以上の出社が義務づけられている。
クッキー代替技術に対する米団体の批判に、グーグルが反論
米国のデジタル広告の業界団体「インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)」が設立したIABテック・ラボ(IAB Tech Lab)が2月初旬に、グーグル(Google)が進めるプライバシーサンドボックスの課題をまとめたレポートを発表した。
グーグルは自社ブラウザ「Chrome(クローム)」のサードパーティCookieを段階的に無効にし、今年後半にはすべて廃止してプライバシーサンドボックスに移行する計画だ。だがIABテック・ラボのレポートは、プライバシーサンドボックスの有効性やサードパーティCookie廃止に疑問を投げかけ、業界内で準備がまだ十分ではないと主張する。
これに反論する声明を、グーグルがブログで発表した。デジタル広告の経済圏に影響を与える新技術について啓発するというIABテック・ラボの使命を尊重しつつ、「効果的なデジタル広告を支援しながらユーザーのプライバシーを強化するという、プライバシーサンドボックスの幅広い目的を無視しているようだ」と批判する。
「プライバシーサンドボックスのAPIは、人々のプライバシーを保護しながらビジネスの目標をサポートしようというもの。サードパーティCookieやクロスサイトの識別子を、一対一で置き換えるようには設計していません。ユーザーのプライバシーに配慮した改善には、あらゆるマーケティング戦術を現在の形のままで再現することは不可能です。しかし既存のアプローチを適応させ、場合によっては新しいアプローチを生み出すことによって、ビジネスの目標を達成できるソリューションを提供することは可能です」。
プライバシーサンドボックスについては先日、英国の競争・市場庁(CMA)も懸念事項がいくつか残ると発表している。
ユーチューブのCTV広告測定、展開市場を拡大 ニールセン
ニールセン(Nielsen)は、ユーチューブのコネクテッドTV(CTV)広告の測定を、日本を含む11市場に拡大する。ニールセンとグーグル(Google)の合意により、ユーチューブのCTV測定が「Nielsen ONE Ads」と統合する。
Nielsen ONE Adsは、スクリーン全体での広告視聴を重複排除した上で測定する製品群で、ここにユーチューブのCTVが追加されたことで、複数のプラットフォームにまたがるキャンペーンを包括的に把握できるようになる。
「人々の動画視聴の方法は変化しており、広告主はスクリーン間の包括的なクロスメディア測定を求めています」と語るのは、ユーチューブでグローバル・プロダクト・ソリューション担当マネージングディレクターを務めるケイト・アレッシ氏。今回の測定市場の拡大により、「ユーチューブの端末を超えたリーチをテレビと比較することができ、広告費やリーチしている重複排除された視聴者について、より完全な情報を得ることができます」。
電通グループCFOのニック・プライデイ氏が退任
電通グループは、グローバルCFOを務めたニック・プライデイ氏が退任し、グローバル・チーフ・ガバナンス・オフィサーを務める曽我有信氏が兼任すると発表した。
プライデイ氏は2003年にイージス・グループに参画し、2009年にグループCFOに就任。2013年に電通がイージス・グループを買収したことに伴い、電通インターナショナル(旧電通イージス・ネットワーク)のグローバルCFOに就任した。
同グループでは「One Dentsu」戦略を掲げ、国内外事業の統一を模索中だ。また、ウェンディ・クラーク氏(電通インターナショナル元CEO)やジャッキー・ケリー氏(米州CEO)など、海外の幹部クラスの人材の離職が相次いでいる。
【お知らせ】
アジア太平洋地域のメディア、広告、マーケティング業界で働く女性の中から、変革を担うリーダーや期待の若手を選出する「Women Leading Change」。今年で第8年目となる同アワードのエントリーを、ただいま受け付けております。詳しくはこちら(英語)をご覧ください。
(文:田崎亮子)