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グーグル、サードパーティCookie廃止を2024年に再延期
グーグルが、ウェブブラウザ「Chrome」でのサードパーティCookieのサポート廃止を2024年後半に延期すると発表した。同社のブログによると、プライバシーサンドボックスのテストにもっと時間が必要というフィードバックを数多く受け取ったことが理由だという。サポート廃止の期限延長は今回が2回目。
FLoCやTopicsなど、次々と新しい仕組みがここ数年で発表されてきたこともあって、対策に頭を悩ませていた広告主企業も多いことだろう。時間的な猶予ができたことになるが、一方で「Cookieレス」への移行が勢いを失うことも危惧される。
プラットフォーム大手の広告事業、成長が減速
アルファベット社が発表した第2四半期の業績によると、ユーチューブの広告収入は73億米ドル(前年同期比5%増)で、「驚異的な」成長率を記録した2021年(84%増)と比べると大きく減速した。一部の広告主が支出を減らしたことや、ウクライナ情勢、アップル社のATT(アプリのトラッキングの透明性)など数々の要因をルース・ポラットCFOは挙げている。
フェイスブックを運営するメタ社も第2四半期は市場予測を下回る結果で、純利益は67億米ドル(同36%減)と上場以来初の減収。売上高は288億米ドル(同1%減)、広告収入は28.2億米ドル(同1.5%減)だった。アプリの広告インプレッションは15%上昇したものの、平均広告単価は14%減少している。経済の不確実性やATTに加え、ティックトックに対抗するように発表されたインスタグラムの短尺動画機能「リール」の収益化が速くないことも影響しているという。
ツイッター社の第2四半期の決算報告も、売上高が11.8億米ドル(同1%減)、広告収入が10.8億米ドル(同2%増)と伸び悩んだ。同社はプレスリリースで、「マクロ環境による広告業界への逆風や、イーロン・マスク氏による買収保留の不確実性を反映したもの」と説明している。
Dentsu CreativeのAPAC担当CEOに蒋卓图氏
電通は、海外事業のエージェンシーブランド「Dentsu Creative」のAPAC担当CEOに蒋卓图(Cheuk Chiang)氏を任命した。電通中国の代表ならびにグレーターノース地域担当CEOを兼任し、上海を拠点に5,000名を超える社員の指揮を執る。電通インターナショナルのAPAC担当CEOに先日就任したロバート・ギルピー氏と、グローバル最高クリエイティブ責任者のフレッド・レブロン氏の直属となる。同氏はカミンズ&パートナー、PHD、オムニコム・メディア・グループのAPAC担当CEOなどを歴任後、2019年に電通に参画する前は、ミュティニー・グループ(Mutiny Group)の代表を務めた。
Campaignのインタビューに応じた同氏は、今後6カ月間でブランド構築や戦略立案、ケイパビリティのリポジショニングのための基盤を確立し、成長を加速していく幅広いスキルをチームに提供していきたいと語る。「電通の最大の強みは、メディア、マーケティング、広告の機能をエンド・ツー・エンドで提供できることです。どのネットワークよりも多くの買収を経て、今こそクリエイティビティーを解き放ち、統合を推進していくときです」。
プラットフォームでのLGBTQ保護の施策は不十分 GLAAD調べ
米国でLGBTQのイメージに関するメディアモニタリングを行う「GLAAD(中傷と戦うゲイとレズビアンの同盟)」が、2年目となるレポート「ソーシャルメディア安全性指数」を発表した。5大プラットフォームにおけるLGBTQを守るための施策を100点満点で評価したもので、インスタグラムが48.38点、フェイスブックが46.3点、ユーチューブが45.11点、ツイッターが44.7点、ティックトックが42.51点という結果だった。
全てのプラットフォームでLGBTQを守るためのポリシーが策定されている他、有害な広告を禁止する取り組みも高評価だった。だがジェンダー代名詞を表記する選択肢の有無、意図的なデッドネーミング(変更前の名前を合意なく使うこと)やミスジェンダリング(本人が自認するジェンダーと異なる接し方をすること)の禁止、有害コンテンツの禁止などの項目で評価が低かった。
プラットフォームはLGBTQユーザーをサポートするだけでなく、反LGBTQのユーザーに対してデッドネーミングの禁止などの断固たる措置をとる必要があると、GLAADの最高コミュニケーション責任者であるリッチ・フェラロ氏は語る。
(文:田崎亮子)