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インフルエンサーの投稿、おうち時間のコンテンツが急増
アジアのインフルエンサーマーケティングで最も活用されているインスタグラム(全体の約4割)は成長率が鈍化傾向にあるが、ツイッターの利用率は過去1年間で急激に伸びていることが、エニーマインドグループの「State of Influence in Asia 2021」によって明らかになった。この調査では、同社のインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」で実施されたキャンペーン2,000件超を調べたものだ。
インフルエンサーがSNSに投稿するジャンルはファッションや美容関連が最も多いが、食品・飲料(前年比87%増)、ファミリー向け(同41%増)、フィットネス(同31%増)といった家の中でできることにフォーカスしたコンテンツが大幅に増加している。COVID-19により移動が制限されていることが、この背景にあるとみられる。また、インフルエンサーがコンテンツ配信に使うプラットフォームとして、ツイッターの利用率はほとんどの市場で1割以下と低いが、日本では23%と高いのというのも興味深い特徴的だ。
自分らしさを模索する若者たち
服装のインスピレーションを問われて「何を着るかを選ぶことで、ベッドから起きられる」、若いころの自分へのメッセージは「自分に忠実でいること、他の人が何を考えているかについては心配しないこと」、隠れた才能は「目の前にある機械の音とハーモニーを奏でることかな」、10年後の自分は「毎日何か新しいことをできるようでありたい」……。若者たちの志や本音、気軽な会話がゆるやかに続くこの動画は、インスタグラムの世界観を表現した新しいキャンペーンだ。トパーズ・ジョーンズ氏(ヒップホップアーティスト)、マドローナ・レッドホーク氏(メイクアップアーティスト)、モーガン・ハード氏(体操選手)など活躍する若手も随所に登場する。
「今日の若者は、これまでのどの世代よりも、自分らしさとは何かを探し求めています」と話すのは、インスタグラムのマーケティング担当バイスプレジデント、メリッサ・ウォーターズ氏だ。「探求と創造的な表現を通じて自己を発見することで、本当の自分ともっと調和することができる。その過程の美しさを中心に据えたのが、この『あなたが作るもの』という動画なのです」
生理について、父親とも気軽に話せる雰囲気づくりを
オーディション会場で渡された台本を、70組の父親と娘が読み進めていくと、父親が生理について説明する内容であることが次第に明らかになっていく。「これをカメラの前で?」「これはオーディションなのでは?」と尋ねたり、娘の台本を確認したりと父親たちは困惑し、気まずい雰囲気に――。これはジョンソン・エンド・ジョンソンの生理用品ブランド「ステイフリー」がインドで展開中のキャンペーンだ。制作はDDBマドラ。
何度かテイクを重ねるうちに自然に話せるようになった父親が伝えるのは、もうすぐ彼女たちに訪れる生理は怖いものはなく、母親や姉たちも経験しており、普段どおり学校にも遊びにも行けるということ。そして台本に書かれている以上の内容を、自分自身の言葉で娘に語り出す。「生理について話しやすくなれば、生理はもっと快適なものになる」という思いが、この動画には込められている。
日本でも、父親と生理について話したことがある女性は2割だという調査結果を、生理日予測アプリ「ルナルナ」を運営するエムティーアイが今年6月に発表している。そのうち51.4%が、父親と話せて良かったこととして「生理の際に家庭内で気を使わなくてよくなった」を挙げている。
APACエフィー賞、日本の4作品が受賞
優れたマーケティング・コミュニケーション施策を称える「APACエフィー賞」が発表された。2021年度は、123のファイナリストから71の作品が選出された。日本からの受賞作は以下の通り。
■P&Gジャパン/#令和の就活ヘアをもっと自由に(グレイワールドワイド)
・Positive Change Social Good-Brands(Products)部門 ゴールド
・Beauty & Wellness部門 シルバー
・Branded Content部門 シルバー
・Business-to-Business部門 シルバー
■マース ジャパン/Take Back The Pleasure Of Chocolate(BBDO Japan)
・Food部門 ブロンズ
■キオクシア/#世界新記憶01「TEZUKA 2020」(ワンダーマン・トンプソン)
・Brand Experience-Products部門 ブロンズ
・Corporate Reputation部門 ブロンズ
■サーモス/Beyond The Beauty Of Temperature(マッキャンエリクソン)
・Sustained Success部門 ブロンズ
(文:田崎亮子)