トレンズは2016年にパリで設立された新進のエージェンシー。ブランドイメージ・価値向上のためのプランニングや戦略を強みとする。創設間もないながら、仏PR業界の優れたエージェンシーに贈られる「Les Agences de L’anee」賞を2019年から3年連続で受賞。今年は米アドウィーク誌の「Adweek 100 Fastest Growing Agencies(成長著しいエージェンシー100社)」にも選出された。
創設者はジャン・バティスト・ケネー氏とサラ・サンドラ・タイビ氏。ケネー氏は長年、複数の国々でデジタルマーケティング業界に従事し、タイビ氏はグローバルブランドのPRを務めてきた。企業理念として掲げるのは「Marketing+Notoriety(悪名を轟かせる、の意)」。成果の伴うマーケティング、をフランス風のエスプリで表現したものだ。
東京オフィスのゼネラルマネージャーに就任したのは森部友彰氏。これまでナイキ、ビーツ・バイ・ドクタードレ、アップルのマーケティング部門で要職を歴任、ブランディングやコミュニケーション、インフルエンサーマーケティングといった分野で20年のキャリアを持つ。オフィスは11月1日に開所した。
初の海外オフィスを東京に構えた理由について、森部氏は「タイビは東京に住んでいたこともあり、両者共に大変な親日家。ビジネスはもちろん、カルチャーにおけるアジアの拠点こそ東京と確信しています」と話す。「今後はパリと東京の架け橋的な役割を担いながら、日仏をはじめとするグローバルブランドの成長をサポートしていきたい」
「日仏に拠点があるので、両国のトレンドやベストプラクティスのシェアが瞬時に可能。欧州とアジアの異なる考え方の良い部分を融合させ、一過性のPRに終わらせることなく、ROI(投資利益率)を意識して成果を創出するブランディングコンサルティングを推進していきたい」
英米ではなく、フランスをルーツに持つPRエージェンシーの日本進出はまだ少ない。「日仏には、クラフトマンシップや伝統といった面で共通する認識・価値観が存在します。そうした点がブランディングを考察する際のアドバンテージになると考えています」
日本市場でのビジネス機会はどのように創出していくのか。「パリ同様、消費財からITブランドまで幅広い企業をクライアントとして迎え入れたい。日本企業の欧州進出はもとより、日本市場におけるビジネス拡大を日仏のアイデアを用いてサポートし、共に成長して行きたいと考えています」
(文:水野龍哉)