* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
ユーモアをテーマにした広告が減りつつある。2020年には世界の全てのチャネルで配信された広告の半数以上を占めたが、今では34%に減少した。
確かに我々は、困難な時代に生きている。世の中の空気を読み間違え、広告が中止に追いやられるのを恐れ、つい無難な方向に走ってしまうのだろう。しかし今こそクリエイターは、ユーモアが秘める絶大な効果とインパクトを再認識してほしい。
ある調査結果で、消費者にブランドメッセージを伝える最も効果的な手法が、ユーモアであることがわかった。誰もが面白いと感じれば、世界中の誰もが1つになれるのだ。
最も素晴らしいユーモアとは、様々な常識や制約を押し広げようとする時に具現化する。 怒りやイライラした感情を緩和させるには笑いが効果的 −− こう述べたのは、他ならぬジークムント・フロイトだった。それゆえ、物議を醸すようなテーマではジョークが効果を発揮する。オチの場面になると、ネガティブな感情を抑えていたエネルギーが必要なくなり、笑いとなって放出されるからだ。
人々は予想を裏切られたり、言葉や事実の裏にある新しい解釈を提示されたりすると笑う。
弊社が、前立腺癌検診という真剣なメッセージを伝えるのにユーモアを選んだのもそのためだ。
我々はビルボードを利用し、前立腺検診が身体のどの部位で行われるか、巨大なクローズアップで示した。検診は腕からの血液検査だが、この広告では大きな毛深いお尻のように見せている。それゆえ緊張感が解け、笑いとユーモアで真面目なメッセージが伝わるのだ。
ユーモアは世界共通の感情と言えるだろう。しかし、主観的でもある。だからこそ賢明に選ばねばならず、画一的・一方的な見方は通用しない。さらに、文脈でも大きく左右される。また、時代によっても面白さは変化する。
こうした主観の範囲で、クリエイティブはユーモアを見出さねばならない。絶大な成果が得られるユーモアは、真剣に取り組むべきものなのだ。
だが、決してそれは容易ではない。完璧な構成やオチを考え、満足のいく効果を得ることは難しい。
私がこの仕事を始めた頃と比べると、ユーモアは様々なところで見られるようになった。かつてはテレビのコメディやコント、深夜番組などがインスピレーションの源だったが、今ではミームやバイラル動画、2秒毎にアップデートされるTikTokのトレンド、そして何千というユーチューブのコンテンツなどがある。これらはすべて素晴らしいものだが、時代性を維持し、オーディエンスに訴求し続けることは難しい。
しかし、これらは全て我々の仕事の範疇だ。誰もがもっと真剣にユーモアと取り組むべきなのだ。
では、弊社はどのようにユーモアのセンスを磨くのか。我々は月に一度、クリエイターたちと「What's So Funny」というセッションを始めた。 面白いと思うものをシェアし、笑いのネタの貯金箱となる「ユーモア・バンク」をつくるためだ。 スタンドアップコメディ、映画のワンシーン、ミーム、広告、グリーティングカード、最新のダンスを披露する猫……ネタは何でも受け入れる。
このセッションでは仕事の締め切りをしばし忘れられる。それにも増して、今の世間で何が面白いのか、ユーモアを貯めておくことは大きなメリットとなる。我々が協働するブランドにとっても同じことだろう。
ターゲットオーディエンスを熟知しているブランド(オーディエンスの社会経済的ステータスや年齢、ジェンダーだけにとどまらず)は、ユーモアで彼らを魅了できるはずだ。
もちろん、卑俗な言葉遣いを気にかける向きもあろうが、オーディエンスの笑いのツボとチャネルに合ったギャグを理解していれば、解決は可能だ。
ブランドにとってユーモアを使うことは、受刑者で一杯の刑務所でスタンダップコメディを演じるのと同じくらい、リスクがあることかもしれない。たとえ比喩的な表現でも、間違ったことを言えばすぐに手痛いしっぺ返しにあう。
あるいは一時的に無視されるだけかもしれないが、誰もが意見表明できるプラットフォームを持っている時代には、事後の批判的投稿はより痛手となろう。
繰り返しになるが、だからこそブランドは自社とオーディエンスのことを熟知しておかねばならない。
カンターの調査が示すように、ユーモアをブランドと結びつけることはパズルの重要なピースだ。ユーモアがどんなに優れていても、ブランド想起と直接的関係はない。ただ、もしブランドの存在がジョークの中心を成しているなら、想起率は極めて高くなるのだ。
リサ・ニコルズ氏はTBWA MCRのエグゼクティブクリエイティブディレクターを務める。