人工知能(AI)技術を用いて視聴者の感情を測定・分析するリアルアイズ(Realeyes、本拠地ロンドン)が、NTTドコモ、グローバル・ブレイン(独立系ベンチャーキャピタル)などからの出資を受け、日本市場に進出する。
リアルアイズが発表した声明によると、同社は1240万米ドル近くの出資を受けて日本に進出する他、米国やEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域での事業構築にも活用する。現在はイントラリンクが販売代理店となって、日本で展開している。
マーケティングでの活用を主軸に置いているが、「スマートシティやメンタルヘルス、ロボティクス分野」など新しい領域にも適用していきたい考えだとか。
同社のサービスは、ウェブカメラを使って動画視聴者の感情や注意度の推移を測定するというもの。カスタム調査での感情分析も実施している。「テクノロジーに人間味を与えること」、そして「人々の心を本当に動かすものは何かを理解すること」を目指したいと、ミケル・ヤートマCEOは述べる。
リアルアイズの広報担当者(在英)デイビッド・ウォーターハウス氏によると、同社は現在、NTTのマーケティング部門と協業。声明によると、他にもコカ・コーラ、ハーシーズ、シェル、マース、エクスペディアとも提携している。
ウォーターハウス氏によると、同社は今年中か2020年初旬ごろを目途に、日本で事業所を開設する予定。技術を応用し、人々が注意を向けているのか退屈なのか、怒っているのか楽しんでいるのかを、ロボットやバーチャルアシスタントが理解できるようになる可能性もあるという。
アンルーリー(動画広告配信会社)も、動画クリエイティブを評価する「アンルーリーEQ」や、感情要素をターゲティングに利用する「カスタムオーディエンス」など、広告主企業がもっとも訴求したいターゲット層に動画がどのような感情を持たれるのか、反応を確認できるサービスを提供している。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)