電通が、国内のアニメスタジオと連携し、アニメーションでオリジナルの映像コンテンツを制作する体制を構築した。連携するのはアンサー・スタジオ、サンライズ、スタジオコロリド、デイヴィッドプロダクション、バンダイナムコピクチャーズ、ぴえろ、プロダクション・アイジー、MAPPA、ライデンフィルムの9社。
電通は本社内にグループ横断の組織「電通ジャパニメーションスタジオ」を設置。国内外の「ブランディングなどのマーケティング課題」に対応していく。
同社によると、「特に若年層に自社商品・サービスのPRを超えた共感を得るためのコミュニケーション強化」を望む企業や団体は増加している。アニメーションは実写よりも自由度が高く、ウェブ動画との親和性が高い。また「日本のアニメーションは外国人から大変高い評価を獲得」しているのだとか。
この動きに先駆け、9月にはハバスが、仏メディア・娯楽大手のヴィヴェンディグループによって買収された。ハバスの幹部は、広告に対する考え方を「メッセージの配信」から「エンターテインメントの手法」へと変えていくとコメントしている。電通も、独自の収益を生みつつクライアントにも利をもたらす電通コンテンツビジネス・デザイン・センターを2016年に設立し、コンテンツビジネスに注力している。
ドラえもんの共同著作権を所有するアサツー ディ・ケイ(ADK)も、アニメーションへの関心が高い。ベインキャピタルはADK買収後、アニメ分野は同社の「眠っている潜在力」で、投資への魅力を感じているとコメントしている。一方でマーティン・ソレル卿は、WPP(ベインによる買収以前は、ADKと業務提携関係を締結していた)のCEO時代に、ADKのアニメ分野への投資を「破滅的」と評価していた。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)