電通は今月19日に開かれた取締役会において、12月に辞意を表明した石井直氏の後継として、山本敏博氏を新たな社長執行役員に選任したことを決定した。
山本氏は常務執行役員からの昇格。慶大経済学部を卒業し、1981年電通に入社した。正式な就任は1月23日になる。
また、新たに中本祥一取締役副社長執行委員を代表取締役副社長執行委員に、高田佳夫取締役専務執行役員を代表取締役専務執行役員とすることも発表された。
中本氏は電通の社内調査委員会委員長としてデジタル広告サービスの不正問題解明に取り組み、今月17日にその調査結果を発表したばかり。同氏の電通入社は1973年、高田氏は1977年。
山本氏は声明の中で、その使命は電通への信頼を取り戻し、長期にわたる持続的成長を実現することだと述べている。
発表された同氏のコメントは、以下の通り。「最優先の経営課題は、労働環境の改革であると認識しています。強い決意のもと、社員と共に改善施策を着実に遂行してまいります。また、経営の健全性や透明性の確保を図るガバナンス体制を強化すると同時に、当社の企業価値の源泉を見つめ直して、新しい電通の創造に向けて、全社を挙げて取り組んでまいります」
(文:デイビッド・ブレッケン、水野龍哉)