世界の女性たちはどのようなブランドに好印象を抱いているのか −− 3月8日の国際女性デーにちなみ、ユーガブが女性による最新のブランドインデックスを発表した。昨今、アジアの女性の所得は急速に増加。アジアでのマーケットシェア拡大を目指すブランドにとって、こうした調査は重要な意味を持つ。
過去の調査では、世界の女性がソーシャルメディアやインターネットブランドに対して強い親近感を抱いていることが分かった。今回の調査でもユーチューブが世界19カ国、親会社のグーグルが15カ国、ワッツアップが14カ国でトップ10入りを果たした。
それでも、アジアの女性とブランドとの関係性をひと括りにまとめるのは難しい。調査結果からは、複数の国々でグーグルやフェイスブック、ワッツアップといったグローバルブランドがローカルブランドと合わせて女性に強く認識されている実状が分かった。
例えば、豪州ではグーグルが昨年から順位を一つ上げて初のトップに。同時に、地元の大手ドラッグストア「ケミスト・ウェアハウス」が初めてトップ10入りし、トヨタを凌いで4位となった。
対象的に、日本でトップ10を占めたのは全てローカルブランド。3〜7位は楽天、ユニクロ、パナソニック、無印良品、全日空という順位だった。1、2位を占めたのは、昨年からリストに加えられた東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの二つのテーマパーク。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も8位に入った。
インド、インドネシア、香港、マレーシアではワッツアップがトップブランドに。だが、2位以下に関しては各国で異なる結果となった。例えばインドで2、3位となったのはグーグルとユーチューブ。香港ではユニクロとポイントサービスの「マネーバック(Money Back)」、インドネシアではECモール「ショッピー(Shopee)」とガルーダ・インドネシア航空だった。インドネシアではワッツアップ、ショッピー、電子マネーアプリの「オーフォ(OVO)」「ゴーペイ(Go-Pay)」が初めてトップ10入りし、オーフォは7位、ゴーペイは8位だった。
順位が大きく変動したのはフィリピン。それでも1位と2位は昨年同様、サムスンとコルゲートが死守。フィリピン航空は昨年から順位を4つ上げて3位、スキンケア用品の「クリームシルク(Cream Silk)」は6位から4位、ユーチューブは9位から5位に躍進した。ローカルブランドではスナック食品の「レビスコ」「M.Y.サン・グラハム(San Grahams)」「ピアトス(Piattos)」が初めてトップ10入りし、それぞれ8、9、10位となった。
それに比べ、シンガポールの女性はブランドの選択に慎重のようだ。1位は3年連続でシンガポール航空、2位は昨年から大きく飛躍したチャンギ空港に。トップ10に名を連ねたブランドは2018年と大きく変わらず、唯一チャンネル・ニュース・アジア(CNA)が初めてランクインして8位となった。
調査は2019年2月1日から2020年1月31日にかけて行われた。
Campaignは、ダイバーシティとインクルージョン(包括性)の推進をテーマとした「Campaignリーディング・チェンジ2020カンファレンス&アワーズ」(前名称『ウィメン・リーディング・チェンジ』) を5月28日にシンガポールのラッフルズホテルで開催します。
(文:ラウル・サチタナンド 翻訳・編集:水野龍哉)