アサツー ディ・ケイ(ADK)は、連結子会社であるアニメ制作会社ゴンゾの不適切な会計処理について、旧筆頭株主との間で和解が成立したと発表した。
ADKによると、同社は昨年7月にゴンゾの株式公開買付けを開始し、約62億円で買収。ゴンゾの株式は当時、80%をいわかぜキャピタル(投資ファンド)が保有していた。
8月に買付けが終了した後、買収前にゴンゾで不適切な会計処理が行われていたことが発覚。ADKは12月27日のプレスリリースで次のように発表している。
「売上計上、棚卸資産計上、貸倒引当金計上等の会計処理について、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠していない可能性があり、従来の会計処理方法を修正することが適切であるとの結論に至りました」
ゴンゾの債務超過額は1,280百万円から2,305百万円と約二倍になった。またADKとゴンゾは、再発防止に向けて特別調査委員会を11月に設置している。
ADK代表取締役社長の植野伸一氏は5月26日のリリースで、買収に関連しADKに生じた損害(特別調査委員会の設置などを含む)の回復に向け、いわかぜファンドらに対し損害の補償請求を行う方針でいたが、提訴に至る前の協議により和解が成立したと発表した。
和解内容の詳細については開示されていない。なお、本件和解がADKの連結業績予想に及ぼす影響は無いとしている。
ゴンゾは国内でよく知られたアニメスタジオで、アニメプロデューサーの村濱章司氏らが1992年に設立した。
(文:ロバート・サワツキー 編集:田崎亮子)