Staff Reporters
2021年8月27日

CMOが、CEOや取締役会にマーケティングの価値を証明するには。

フォレスターリサーチの調査は、マーケターは、マーケティング活動とビジネス影響との関連性を示せなければならないことを、示唆している。

CMOが、CEOや取締役会にマーケティングの価値を証明するには。

パンデミックが2年目に突入し、マーケティング責任者は、予算を精査する最高経営責任者(CEO)や取締役たちから、支出した金額とその効果について厳しい質問を浴びせられる可能性が高い。このような厳しい時代にあって、マーケティング投資がビジネスにもたらした直接的なメリットを財務面から説明できなければ、最高マーケティング責任者(CMO)は社内で居場所を失うことになるだろう。フォレスターリサーチが150人のCMOを対象に実施した調査レポートは、そう示唆している。

この調査によれば、実に71%ものB2Cマーケティング幹部が、来年は、 CEOや最高財務責任者(CFO)などの幹部にマーケティングの価値を証明することがきわめて難しくなると回答している。マスターカードでグローバルCMOを務めるラジャ・ラジャマナール(Raja Rajamannar)氏は、この問題についてポッドキャストのインタビューで次のように述べている。「データを手に入れ、財務を読み解く力を身につけ、マーケティング活動とそのビジネスへの影響の関連性を証明する能力を獲得しなければ、マーケターは絶望的に時代遅れとなり、取り残されてしまうだろう」

マスターカードのラジャマナール氏:CMOは自らのスキルを高めなければ、存在価値を失う


フォレスターの調査によれば、CMOの前途は多難だ。B2Cマーケティングの意思決定者のうち、マーケティング活動によるビジネス価値の向上を正確に測定し、証明できると考えている人の割合は、現時点で28%に過ぎない。マーケティングの大義を擁護するには、CFOとの連携をより一層深め、マーケティング投資と実際のビジネス影響との関連性を明らかにすることが、CMOにとって最善の策となるだろう。

ただし、レポートによれば、CMOがまず直面する大きな困難は、財務部門と目標を一致させることにあるという。たとえば、マーケティング部門と財務部門とでは、従業員の経験値やデジタルビジネスの加速といった組織の重要な指標について、異なる見解と優先順位を持っているかもしれない。また、ファネルの中で投資を集中すべきポイントについても、意見が一致しないかもしれない。さらに、メールの開封率、ソーシャルメディアの「いいね」数、広告のインプレッション数など、CMOが自分たちの支出を正当化するために使いがちな数々のマーケティング用語が、CFOから敬遠される可能性もある。

そこでフォレスターは、マーケティング業務の実効性を高めるために、短期と長期の両方の指標を網羅した測定基準を設けることを推奨している。そうした測定基準を用いることにより、CMOは四半期(あるいはさらに短い期間)の売上転換率や顧客獲得単価など、短期的な指標を用いてマーケティング効果を測定しながらも、長期的なブランド評価やブランドエクイティのフレームワークも併用することで、財務部門との関係性を強化することができるだろう。

提供:
Campaign; 翻訳・編集:

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