仏ボールペンブランド「ビック(Bic)」が、クリスタルシリーズが75周年を迎えたことを記念して、AIを活用してシェイクスピアの筆跡を再現し、『ロミオとジュリエット』を書き上げるキャンペーンを実施した。
ビックと提携したVMLサンパウロのクリエイティブディレクター、マルセロ・フェリシオ氏によると、ビックのペンでシェイクスピアの原稿を書くというアイデアは約6年前に思いついたものの、カリグラファーとタイポグラファーにかかる費用が高額だった。だがAI技術が進歩したことで、ソフトウェアやロボットを駆使して筆跡を復元することができたのだという。
「史上最も偉大な作家の一人であるシェイクスピアへのトリビュートであると同時に、書くという行為そのものへのトリビュート」とフェリシオ氏。「手書きは知識を保つのに役立ち、創造性を刺激します。そしてAIは私たちのルーティンに役立つツールであることも、皆さんご存知のとおりです」。
3キロメートルも書けるというペンの耐久性を証明するため、1本のペンで書き上げた212ページの原稿は、リオデジャネイロの図書館に寄贈された。
(文:田崎亮子)