1月に入り、今年の携帯電話の学割商戦が始まった。各社とも学割をアピールするCMを発表、話題になっている。
NTTドコモは、10代を中心に人気を集めるバンド「SHISHAMO」を起用したCMをオンエア。記者に扮した堤真一と綾野剛が学生の間で流行していることについて話し合うが、「SHISHAMO」と魚のシシャモを勘違いしたまま噛み合わない会話を繰り広げ、笑いを誘う。
auは、おなじみの三太郎シリーズの最新作を配信。リンゴが木から落ちる様子を見て引力に気づく浦ちゃんに、金ちゃんが学校に行くことを薦める様子がコミカルに描かれる。
配信前より注目を集めたのが、ソフトバンクのCM「宣言篇」。新キャラクターとして広瀬すず、大原櫻子に加え、世界的人気を誇るジャスティン・ビーバーを起用すると発表されたためだ。CMは女子高生役の広瀬が、デジタルやグローバルが当たり前になった現代の学校生活を紹介するもの。ジャスティン・ビーバーは校内の電子掲示板の中に登場し、広瀬に話しかける。
Campaignの視点:豪華な出演者で期待を集めたソフトバンクの新CMだったが、画面の中の情報が多過ぎて消化不良気味、というのが第一印象だ。話題のジャスティンが登場するシーンは、ほんの数秒間に過ぎない。これが学割プランを伝えるCMであることも、2007年から続くソフトバンクの「白戸家」シリーズであることも分かりにくい。犬の台詞の通り、「何が始まるんだ?」と最後まで疑問が残るが、好奇心を喚起させるティザー広告としての役割は果たすのかもしれない。
この学割商戦は格安スマホの普及もあり、携帯電話大手3社にとって負けられない戦いだ。CMのみならず、シンプルな料金プランや分かりやすい販促ツールなど、顧客の流出を防ぐためにあらゆる手立てを講じる必要があるだろう。
(文:田崎亮子 編集:水野龍哉)