暑い夏の日にはよく冷えたコカ・コーラを飲もうと呼びかけるキャンペーンが、6月19日よりスタートした。
うだるように暑い日には冷たいものを飲もうだなんて、当たり前のことをわざわざ言わなくても、と思うかもしれない。ところが、そう単純な話ではないようだ。
消費者は、28度以下の暑さであれば炭酸飲料を好んで飲むが、それ以上の気温になると、無糖のお茶やスポーツドリンク、ミネラルウォーターなどが好まれる傾向があるといわれている。
東京都心の7~8月の気温は、30度を上回ることが多い。コカ・コーラが、キンキンに冷えるとラベルの色が変わるボトルを導入し、夏にむけて訴求ポイントを付加しようとしているのは、このためだろう。
また、製品を店頭で4本まとめて購入した消費者には、冷えた飲料を注ぐとデザインの色が変わるグラスをプレゼント。夏真っ盛りである7月17日~8月27日には、屋外ビジョンやデジタルサイネージで、気温や天気、場所に応じたメッセージの配信も行う予定だ。
Campaignの視点:
ケンダル・ジェンナーを用いたペプシの奇抜なCMとは、似ても似付かないCMだ。男性3人組が、魅力的な女性3人に冷えたコカ・コーラを差し出し、全員で美味しそうに飲む様子と、冷えてラベルの色が変わり、氷のイラストが浮かぶボトルが大きく映し出されるだけだ。社会的課題の解決策として飲もうだなんてメッセージは無い。平凡でつまらないだろうか? いや、世の中が求めているのは、それくらいシンプルなことなのだろう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)