調査は英国・米国・カナダ・ドイツ・シンガポール、そして日本の6か国で3月末に実施。日本では東京都などが不要不急の外出自粛要請を初めて呼びかけた時期にあたる。対象者は18歳以上の男女で、日本における分析対象回答数は419。
日本の消費者の間で顕著だったのは、まずネット通信時間の増加だ。様々なデバイスの中で「スマートフォンの利用が増えた」と答えた者が最も多く(22%)、次いでデスクトップパソコン(15%)、ゲーム機(14%)、スマートTV(13%)と続いた。
自宅でのオフラインにおける行動では、料理と読書の時間が増えたことが分かった。全世代でその傾向がみられるが、特に18〜24歳(料理・読書ともに37%)、25〜34歳(料理29%、読書26%)といった若い世代で目立った。また、部屋の模様替えやガーデニングと答えた者も比較的多かった。
消費傾向はどうだろう。全世代を通じて最も増えている出費は、やはり食品と日用品。それ以外では、動画ストリーミングサービスなどホームエンターテインメントへの消費が目立った。中でも若い世代が顕著(18〜24歳は37%、25〜34歳は21%)だ。
広告に対しては何を望んでいるのか。目下の状況下で「広告主は広告を控えるべき」と答えた者は全体のわずか2%にすぎない。ほぼすべての消費者は、ブランドに対し広告活動の継続を望んでいることが分かった。ただし、「新型コロナウイルスに関する詳しいメッセージ」や「社員や顧客をどのようにサポートし、守っているかという情報」を望む声が、若い世代を中心に多かった。
では、どのようなコンテンツを広告に求めているのか。18〜24歳の若年層で多かったのは、「情報や知識を得たと思えるもの」(43%)。それに反して55歳以上の回答者は「心温まるもの」を多く挙げた。また、「笑わせてくれるようなもの」がどの世代でも上位3つの中に入り、先行きが見通せない不安な時代だからこそ、心が和む広告を求めていることが分かった。
(文:水野龍哉)