プレイアブル広告が、アプリのマーケティングニーズに最も適していることが、Liftoff(リフトオフ)の新たな調査で判明した。Liftoffは、モバイルアプリの成長と拡大を支援するプラットフォーム企業だ。モバイルアプリの4つの主要分野(ゲーム、eコマース、金融、エンターテインメント)の傾向を追跡した、同社のグローバル調査レポート「2022 Mobile Ad Creative Index」によれば、プレイアブル広告はインストール単価(CPI)が1.98ドル(約256円)と最も低く、他の広告フォーマットの平均CPIの3.79ドル(約489円)を大きく下回っていた。特にゲームアプリのマーケターにとっては、魅力的な広告フォーマットと言えるだろう。
このレポートは、5種類の広告フォーマット(バナー、インタースティシャル、プレイアブル、ネイティブ、動画)を対象に、そのコストとコンバージョン率を追跡したもので、2021年1月1日から2022年1月1日までの期間における、8,050億件弱のインプレッションと、126億件超のクリック、2億件のインストールがベースとなっている。
この調査で明らかになったのは、マーケターのニーズを満たす存在として、プレイアブル広告が他の広告フォーマットより優位に立っているということだ。「OSプラットフォーム別」に見てみると、AndroidのCPIは1.41ドル(約182円)で、iOSは3.66ドル(約473円)だ。インタラクティブなフォーマットであるプレイアブル広告は、エンゲージメントを高め、ユーザー獲得につながる。プレイアブル広告のCPIは、AndroidではiOSの半分以下で、フォーマット別では、バナーやインタースティシャル、ネイティブ広告などをはるかに下回っている。フォーマットでは、ネイティブ広告のCPIが最も高く、Androidで4.82ドル(約622円)、iOSでは7.38ドル(約953円)となっている。
また、ゲーム以外のアプリのプローモションにおいても、プレイアブル広告が有効であることをこの調査は示している。たとえば、eコマースアプリの広告にインタラクティブな要素を取り入れれば、ブランドを毀損することなく、エンゲージメントを築くことができる。プレイアブル広告なら、ユーザーは購入する前にそのアプリを試すことができるからだ。ユーザーは画面上で広告を操作でき、そのアプリで何ができるかを確認できる。そして、Liftoffのデータが示すように、この広告フォーマットは費用対効果が最も高い。
Liftoffの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるマーク・エリス氏は、「マーケターが時代を先取りするには、ターゲットオーディエンスのモチベーションを高めるフォーマットが何かを知らなければならない。そして、調査データはそれがプレイアブル広告であることを示している」と指摘し、「アプリマーケターが、今年の全体プランとして、オーディエンスの関心を引きつける魅力的なインタラクティブ広告を想定しているなら、各モバイルプラットフォームが求める要件を知ることが鍵となる」と述べた。
AndroidのコストはiOSの半分以下
この調査では、Androidの方が引き続き、どの広告フォーマットでも高いコストパフォーマンスを発揮していることが明らかになった。特にゲーム領域の場合、Androidデバイスは、すべての広告フォーマットでiOSよりコストが低い。プレイアブル広告について言えば、AndroidでのCPIはiOSの半分以下である。
この調査データから読み取れるのは、モバイルアプリマーケターが、潜在顧客の関心を引きつけるために資金を投じるなら、やはりAndroidをターゲットにするのが賢明だということだ。また、iOSのCPIは、すべての広告フォーマットでAndroidより高いが、さらにこの1年は、ほぼすべてのフォーマットで価格の上昇が見られる。なかでも動画広告は、3.44ドル(約444円)から6.09ドル(約786円)へと2倍近くまで高騰している。