AOLがグローバル規模で実施した調査「THE NEW MOVEMENT IN MOBILE」によると、2017年はモバイルが動画広告の成長をモバイルが加速させる一年となりそうだ。
調査は、消費者と業界のトレンドを明らかにすることを目指すもので、7つの市場(米国、カナダ、英国、フランス、日本、オーストラリア、東南アジア)で2016年末12月、13~54歳の消費者1300名と、広告主・広告会社・媒体に携わる1600名を対象に実施。今回で7回目となるこの年次調査に、今回初めて日本が調査対象に加わった。
分析で明らかになったのは、モバイルが動画の成長を加速させる兆しだ。スマートフォン(モバイル)を「常に手の届くところに置いている」あるいは「スマートフォンなしでは生きられない」と回答する消費者は全体の7割強(日本75%、グローバル77%)。特に日本では動画をモバイル端末で視聴する率が高い(モバイル59%、パソコン55%)。同様の傾向は東南アジアでも見られたが、その他の地域ではモバイルよりもパソコンで視聴する消費者の方が多いという。
また、日本の消費者はモバイル端末でライブ動画を視聴する率が高い(日本77%、グローバル平均66%)が、その一方で、360度動画を視聴する率は対象地域の中で最も低い(日本39%、グローバル平均66%)。
日本の消費者の51%が「一年前と比べてより多くのオンライン動画を視聴している」と回答したが、動画に集中できる時間は短い。「1分以下の動画を毎日視聴する」と回答した消費者は20%だが、動画が長くなるほど視聴者数は減少していく。マーケターが期待を寄せるモバイル動画のトピックスも、1位が「1分以内の動画(55%)」、3位が「1-5分以内の動画」であった。グーグルも6秒間の動画広告フォーマット「バンパー広告」を昨年より導入しており、目的に応じた短尺動画の活用が今後ますます求められていくだろう。
(文:田崎亮子)