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アンクル・ベンズ、新しいロゴと名称を発表
米国の食品大手マースは、黒人男性を商標としているブランド「アンクル・ベンズ(Uncle Ben’s)」の新しいロゴと名称を発表した。新しいロゴには黒人男性の絵は用いられず、オレンジ色の背景に青い文字で「ベンズ・オリジナル(Ben’s Original)」と記されることとなる。
人種差別反対を訴える「ブラック・ライブズ・マター」が世界的に広がる中で、マースはアンクル・ベンズの名称とロゴを変更する旨を6月に発表していた。1946年に立ち上がった同ブランドはこれまでにも、人種のステレオタイプに基づいているとして批判されてきた。架空のキャラクターであるベンは2007年、使用人から企業の会長職へと設定が変更されている。今回のリブランディングと併せて、黒人シェフ育成のための奨学金や、ベンズブランドの生産拠点グリーンズビル(米ミシシッピ州)での学生の教育と生鮮食品へのアクセス改善に投資することも発表された。
社会問題に積極的なインフルエンサーに、マーケターは及び腰?
インフルエンサーマーケティングを専門とする英タクミ社の調査で、欧米のマーケターの約7割が過去12カ月間でインフルエンサーマーケティングにより多くの予算を充てたことが分かった。英国、米国、ドイツのマーケター756名、インフルエンサー291名を対象に行われた同調査によると、ユーチューブでのキャンペーンでインフルエンサーの起用を考えている企業は58%に上り、インスタグラム(55%)、ティックトック(35%)などが続く。OOH(83%)、紙媒体(80%)、テレビ・ラジオ(81%)での起用も積極的に検討しているという。
インフルエンサーの4人に1人が、ダイバーシティや地球環境などの社会問題に積極的なブランドと組みたいと考えている。特にダイバーシティは、マーケターやブランドが取り組むべきテーマだと、50%以上のインフルエンサーが考えている。だが一方で、社会問題や政治的なテーマについて主張するインフルエンサーとタッグを組むことに及び腰なマーケターは55%に上る。
米国の民主主義に警鐘を鳴らすディープフェイク動画
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、民主主義の脆弱さをアメリカ国民に説く動画が公開された。プーチン大統領は「アメリカの皆さんは、私が民主主義を妨害していると非難します。でもあなた方自身がそうしているので、私がやる必要はありません」、金委員長も「民主主義は、あなた方が信じたくないほど脆弱。選挙が失敗すれば、民主主義はない。私は何もする必要がありません」と語り、その根拠として投票所の閉鎖、選挙区の不正操作、党内の分裂などを挙げる。最後に「この映像は本物ではないが、脅威は本物」という一文が映し出される。
この動画はNPO団体「レプレゼント・アス(Represent Us)」が、大統領選のテレビ討論会での放送を目指して制作したもので、両氏ともディープフェイク技術で作られた偽物だ。企画制作は、グレッグ・ハーン氏(BBDOの元CCO)が設立した「ミスチーフ@ノー・フィックスド・アドレス」。テレビ討論会での放送は、放送局によって直前に見合わされ、その理由は明らかにされていない。
イケア動画に、ヨガの描き方が不適切との批判
イケアは豪州向けに展開したキャンペーンで、ヨガのポーズに合わせて同社の商品15点を紹介。これに対し、米国のヒンドゥー教団体「ユニバーサル・ソサエティー・オブ・ヒンドゥイズム」が謝罪と撤回を求めた。古くから伝わるヨガの規律を軽んじた、不適切な描き方だというのが同団体の創設者ラジャン・ゼッド氏の主張だ。
豪州では2017年にも、ガネーシャ(像の頭をしたヒンドゥー教の神)などさまざまな宗教の神々が羊肉を食べるという内容の食肉会社の広告が、批判されたことがある。
(文:田崎亮子)