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フランス、化石燃料を扱う広告を禁止
化石燃料の広告が、フランスで禁止された。対象となったのはガソリンや石炭に関連する広告で、天然ガス関連の広告についても来年禁止となる予定。これまでもアムステルダムやシドニーなどで同様の動きがあったが、国として禁止したのはフランスが初めて。
広告禁止による具体的な影響はまだ明らかではないが、「良い変化を生むでしょう」とコンシャス・アドバタイジング・ネットワーク(Conscious Advertising Network)の設立者であるハリエット・キンガビー氏は語る。「(温室効果ガスを大量に排出する)ハイカーボン企業は広告を使って、さまざまなステークホルダーに誤解を与えてきました。自分たちの技術が実際よりもクリーンであるとか、化石燃料への投資がもっと必要だと主張し、政策立案者たちをミスリードしてきたのです」。
化石燃料の広告制作、いかに回避するか?
英国では、化石燃料の広告制作に携わらないよう訴求するキャンペーンが、化石燃料大手をクライアントに持つWPPとエデルマンのオフィスの外で行われた。このような案件の回避策として「プランナーが良い仕事をできないよう混乱させる」「ポストプロダクションでの修正が困難になるよう撮影時は裸で走り回って写り込む」といったアイデアをまとめた『ブリーフ・サボタージュ・ハンドブック』を、オフィス入り口で配布した。実施したのはクリエイターのネットワーク「グリンプス(Glimpse)」。
このハンドブックは「遊び心のある介入」だと、グリンプス設立者のジェームス・ターナー氏は説明する。「私たちが作ったサボタージュ・ハンドブックは、社内のウォーターサーバーの上に置かれ、回し読みされることを想定しました。この本について笑ったり冗談を言ったりしながら、ユーモアによって難しい話題も展開しやすくなるでしょう」。
NFT販売でウクライナ復興を支援
ウクライナを拠点とするストックフォトのプラットフォーム「デポジットフォト(Depositphotos)」が、ロシアによって破壊されたウクライナの文化施設にまつわるNFT(非代替性トークン)を販売している。7名のアーティストによる38点のNFTは毎週1点ずつリリースされ、売上はウクライナの文化情報政策省による文化施設修復に充てられる。同省によると2月以降、450超もの文化施設が破壊されているという。
「戦争が数カ月以上続くと、テンションが落ちてきます」と語るのは、デポジットフォトのコンテンツチーム責任者であるマリア・シビルツェヴァ氏だ。「私たちの国では今もなお戦争がフルスケールで続いているため、テンションを落としたくありませんでした」。同社では今後もアーティストへのインタビューや、NFTコレクションのプロモーションのためのグッズ販売などを計画している。
画像生成AIが描く、ケチャップとマヨネーズは…?
最近話題になっている画像生成AIをモチーフにした動画を、ハインツが7月末に公開した。AIに「ケチャップ」と指示すると、ハインツの容器に酷似した絵が描かれるというのだ。「ルネサンス」「印象派」「ストリートアート」「タロットカード」「宇宙空間」といった単語を追加しても、ハインツらしさは保たれるのだとか。
そして、この動画のパロディを、ニューヨークのクリエイティブディレクターであるスティーブン・ポール・ライト氏が公開した。「マヨネーズ」と指示したら、ヘルマンのリアルマヨネーズのボトルが描かれるのではないか…と期待したものの、描かれるのはヘルマンのボトルとは似ても似つかない絵ばかりだった。
同氏はヘルマンの実際の広告制作には携わっておらず、この動画を個人的にソーシャルメディアで公開したところ、メディアが取材。それを見たヘルマンの公式チャンネルが、さらに拡散することとなった。
(文:田崎亮子)