新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化を受け、全従業員の約4分の1にあたる1900人の解雇を発表したエアビー。離職者を全面的にサポートするため、手厚い再雇用プログラムをスタートさせる。
同社CEOで共同創業者のブライアン・チェスキー氏は、コロナ禍における方針を示す従業員向けのメッセージの中で、「我が社を去る人々全員が新しい仕事を見つけられるよう、人材名簿サイトを公開する」と述べた。
このサイトには希望者のプロフィールや履歴書、過去の仕事例などが掲載され、新しい雇用主との仲を取り持つ。
「この困難な時期において、私はすべての社員の皆さんから素晴らしいインスピレーションを受けてきました。たとえ最悪の状況下にあっても、皆さんの最良の面を見ることができた。今ほど、人のつながりが求められている時はありません。そして、その機会を生み出していくのはエアビーアンドビーです。私が皆さんを信じているからこそ、そう断言できるのです」とチェスキー氏。
解雇する従業員をサポートするプログラムは、人材名簿サイトだけにとどまらない。
エアビーの人材採用担当チームの大部分は今年、離職者の再雇用をサポートする仕事に携わる。
また、専門企業を通して4カ月にわたる就職斡旋サービスも提供。社に残る従業員には、離職者の就職をサポートするプログラムに参加するよう促す。さらに離職者は、仕事で使用していた社のノート型パソコン(アップル社製)を個人の所有物にできる。
深刻な危機に直面する今、企業の舵取りをどのようにするか −− チェスキー氏が示した思いやりと決断力、行動力、そして透明性は、従業員への手厚いケアともども、「完璧な手本」として大きな称賛を浴びている。
(文:オリバー・マカティア 翻訳・編集:水野龍哉)