シンガポール – 市場調査会社ケイデンスによれば、グレート・シンガポール・セール(GSS)目当てにシンガポールに向かう日本の旅行者は、7時間に及ぶフライトをものともしないようだ。
この調査では、日本人の3分の2近くがGSSを知っており、10人中8人がシンガポールに買い物に行きたいと回答した。調査対象国の中で最も高い割合だ。これに対して、オーストラリア人でGSSを知っているのは3人中1人に満たない。
ケイデンスは、GSSをはじめとするあらゆるセールでお買い得品を求める買い物客の傾向や好みを分析するため、アジア太平洋地域の9カ国で調査を行った。
インドネシア、マレーシア、日本、オーストラリア、台湾、中国、シンガポールの買い物客は、ほぼ共通して「検査官」タイプだ。掘り出し物を探して1点ずつくまなくチェックすることに余念がない。
これに対し、タイとインドの消費者はセールに対する熱はそれほどでもなく、「コーディネーター」タイプだ(タイ42%、インド32%)。このカテゴリーに入る消費者は、目当てのショッピングモールや店、アイテムに実際にたどり着くまでに何日間も費やし、価格比較などオンラインで入手できるさまざまな情報を駆使しながら、賢く買い物をしている。また、この傾向は男性に顕著で、タイでは半数以上がこのような行動を取っている。
日本の消費者は「まとめ買い」のカテゴリーに入る。同じアイテムの複数のバージョンを求めるタイプだ。時には同じスタイルで色違いの商品すら購入する。
次に「倹約家」タイプ。これはシンガポールに多く、高価なアイテムがセールになるまで何カ月でも待ち、セールが始まると真っ先に店に向かうのが典型だ。そして最後に「衝動買い」のカテゴリー。売り場で逃したくないアイテムに出合ったがために購入を決める、というタイプだ。
この調査でGSSに焦点を当てたところ、隅々まで探す「検査官」タイプ(29%)がもっとも共通して見られる傾向だったが、日本人回答者の28%が「まとめ買い」をし、調査平均の14%を大きく上回った。一方で「衝動買い」すると回答したのは8%にとどまった。
この調査は「日本の消費者を呼び込む最良の方法は、どんなオプションや割引があるのかを明確に示すことだ」と結論付けている。
(文:バイラビー・イヤ 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)