ソレル卿はこの疑惑を強く否定。だが、調査の内容に関しては否定していない。
この報道は、ソレル卿の会計上の不正行為疑惑に関するWPPの調査をテーマとした9日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事。「1人ないしそれ以上の売春婦への支払いに自社資産を充てた疑い」が調査されており、「人々にとっては耳慣れたこと」とも述べている。
この4月、ソレル卿の「不適切な行為」に対する調査がはじめて伝えられると、同氏はそのわずか数日後にCEOを辞職。その後の調査に関する詳細は、一切公表されていない。
同氏のスポークスマンは多くの報道機関に向けて声明を発表し、「マーティン卿は辞任の際、秘密保持契約書に署名しました。それゆえ、この件に関するいかなる疑問にも答えることはできません。彼はその義務を忠実に履行し、今後も順守していく所存です」と語った。
また、「マーティン卿はウォール・ストリート・ジャーナルの記事を強く否定しています。現時点で彼からのコメントはこれ以上ありません」とも。
WPPのスポークスマンは次のように述べる。「個人情報保護法により、我が社はこの件に関する詳細を公表できないと勧告を受けています。マーティン卿は独立した弁護士の調査の結果、辞任を選んだのです」。
また、ソレル卿の友人はCampaignに対しこのように語った。「彼は売春婦と会ったことを否定しています。この疑惑も、不満を持つ社員によって捏造されたものだと考えている。20万人の社員がいる企業を30年間運営していれば、誰かが敵意を抱くものです」。
この報道はソレル卿の辞任後、はじめて開かれるWPPの年次総会に先立つもの。WPPの株主たちはソレル卿の辞任の経緯、約2700万米ドル(約28億円)相当の同社株を長期保有できる「円満退社扱い」などに疑問を呈しており、総会は今から紛糾が予想される。
(文:ファイズ・サマディ 翻訳・編集:水野龍哉)