1. アマゾンの広告ビジネス、10億米ドルを超える
アマゾンは第3四半期の決算報告で、広告ビジネスが対前年比で58%増、10億1200万ドル(約1154億円)になったと発表した。スポンサープロダクト広告がその大半を占める。ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は、「広告ビジネスが成長していることを嬉しく思う。我々の目標は、顧客がショッピングの際により良い判断を下せるようになること」と語った。グーグルの親会社であるアルファベットは、第3四半期の広告の売上高が240億ドル(2兆7360億円)になったと発表した。
2.IAB、グーグルとフェイスブックに「宿題」
米国のインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(インタラクティブ広告協議会)はデジタルメディア企業に対し、「デジタル環境の秩序の維持に努めるべき」と提言した。これは昨年の大統領選挙にロシアが関与した疑惑を受け、政治的広告に関する情報を大々的に開示するよう求めた法案に代わる動き。グーグルとフェイスブックは透明性の向上に前向きに取り組むと応えたが、不適切なコンテンツや“フェイクニュース”の根絶に依然苦闘している。
3.第3四半期、最も「貪欲」だったのはWPP
第3四半期、メディア・マーケティング業界では58のM&A(合併・買収)が成立した。WPPは16件の買収を行い、デジタルコミュニケーショングループのネクスト15が4件、電通は3件。全体の3分の1はデジタル分野の企業で、広告関連は17%だった。また、データ分析企業は8%増となり、データ主導のビジネスに対する需要が高まっていることを示す。
4.カンヌ受賞作はブランドの方針に相反?
広告分析を専門とするエースメトリックス(ACE Metrix、本社は米カリフォルニア州マウンテンビュー)は、カンヌライオンズの審査員が「大衆の共感を呼ぶ作品を理解していない」という研究結果を発表した。広告業界人で構成された審査員たちは「意外性や奇抜さを重視し、ブランドのキャンペーンを成功に導く作品を必ずしも選ばない」というのだ。その一方、オーセンティックで分かりやすい作品は選考の際にマイナスの印象を与え、受賞に不利とも。賞の獲得はブランドではなく、広告代理店の利益ではないか −− そんな疑問を抱かせる報告だ。
5.世界初のロボット市民
人工知能(AI)研究のハブを目指すサウジアラビアは、“ソフィア”と名付けられたロボットに市民権を与えた。10月下旬に同国で開催された「フューチュア・インベストメント・イニシアティブ」のPRイベントで、香港のハンソンロボティックスが開発したソフィアは「市民権取得は名誉なこと。財力と権力を持ち合わせたスマートな人々に囲まれて幸せです」と語った。観測筋はいち早く、「彼女」が同国の一般市民よりも多くの権利を有していることに言及した。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)