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カンヌライオンズでグリーンウォッシュを注視
19日から開催されるカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルを目前に、キャンペーングループ「クリーン・クリエイティブス(Clean Creatives)」が今年も若手クリエイターと参加し、活動を行うことを明らかにした。目的は「注目を集め、議論を活性化させ、行動を促す。このことで会期中に広告のプロフェッショナル達に対し、オンラインと対面の両方で、化石燃料企業の問題を避けられないものにすること」にあるという。
同団体はNPO「クリエイティブス・フォー・クライメート(Creatives for Climate)」などと共にイベントを開催する他、参加者がグリーンウォッシングの事例を識別できるよう、複雑化するグリーンウォッシングを分類したツール「グリーンウォッシュ・スウォッチ」を会場で配布する。このツールを制作したクリエイティブス・フォー・クライメートの設立者であるルーシー・フォン・スターマー氏は「カンヌでの私たちの使命は、業界で最もクリエイティブな人々に挑み、自分たちの創造性を何のために使っているのかと問いかけること」と語る。
クリーン・クリエイティブスのエグゼクティブディレクター、ダンカン・マイゼル氏も「気候危機はあまりにも急速に起こっており、自分たちのカーボンフットプリント(CO2総排出量)だけに焦点を当てるわけにはいきません。さまざまなアプローチをつなぎ、急速な変化を起こすチャンスをとらえる必要があります」と語り、サステナビリティーの実践者やエージェンシー、企業などがイベントで一堂に会することで「この問題のリーダーとなるための、包括的な戦略を構築するチャンスを提供できれば」と意気込む。
カンヌライオンズの会期中には他にも、アド・ネットゼロが特別エリアを用意し、アクションプランの実施に関する質問に答えたり、ワークショップを開催する予定だ。
エデルマン、BtoB向けのユニットを立ち上げる
エデルマンはBtoB企業向けのマーケティングに特化したユニット「エデルマン・ビジネス・マーケティング(Edelman Business Marketing)」をグローバルで立ち上げる。オーディエンス調査、ソートリーダーシップ戦略、コンテンツマーケティングなどのサービスを含む、統合マーケティングのプログラムを作成する。ユニット全体を率いるのはジョー・キングスベリー氏とデイビッド・ホワイティング氏。
エデルマンのビジネスマーケティング事業は過去3年間で2桁成長を遂げ、年間4000万米ドル以上の収益を生み出している。主要なクライアントにはマイクロソフト、HSBC、シェル、三菱重工などがある。PRウィーク誌の調査によると、エデルマン全体の2022年の収益は約11億米ドル(前年比12.8%増)だった。
トニー・ザ・タイガー、マルバニー氏との写真に一部から反発の声
トランスジェンダー女性のインフルエンサーであるディラン・マルバニー氏をめぐり、再び騒動になっている。トニー賞の授賞式でマルバニー氏が写真撮影に応じていたところに、ケロッグのシリアル「コーンフロスティ」のキャラクターであるトニー・ザ・タイガーが登場。両者がカメラに向かって一緒にポーズをとった写真がソーシャルメディアで拡散し、保守派からの反発を買うこととなった。
コーンフロスティは、トニー賞の公式パートナー。ケロッグのシニアバイスプレジデントであるクリス・バーナー氏によると、トニー・ザ・タイガーは個々の候補者やゲストとの出演契約のためではなく、あくまでも公式パートナーとして参加し、さまざまな候補者やゲストと写真撮影に応じていたという。
マルバニー氏は4月、バドライトとのコラボレーションをインスタグラムで発表したところ、保守派が猛反発。正式な広告キャンペーンではないことを同ブランドは強調したが、不買運動にまで発展し、米国での売上が急落した。
(文:田崎亮子)