※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
カンヌ、APAC勢の受賞数が昨年を上回る
先週開催されたカンヌライオンズの、アジア太平洋地域(APAC)の受賞数は114点で、昨年(104点)を上回る成績だった。2022年のAPACはCOVID-19による行動制限などがあり、OOHなど広告が大きな影響を受けるなど、欧米諸国とは異なる事情を鑑みると、受賞数の増加は偉業といえるだろう。日本の受賞数は19点だった(2022年は10点)。
APAC地域からのエントリー数は3,965点で、2022年(4,065点)からは減少した。地域内で最もエントリー数が多かったのはインド(809点)。日本からは494点のエントリーがあったが、これも2022年の540点からは減少している。APAC地域の受賞作品について、詳しくはこちら(英語)。日本勢の受賞作品は以下の通り。
【Film部門】
●シルバー: ナイキジャパン/「WOO! GO! by Atarashii Gakkou」(ワイデン+ケネディ、AOI Pro.)
【Design部門】
●ゴールド: 甲子化学工業/HOTAMET(TBWA HAKUHODO)
●ゴールド: JRグループ/鉄道開業150周年「My Japan Railway」(電通)
【Digital Craft部門】
●ブロンズ: 相鉄グループ/相鉄・東急直通記念ムービー「父と娘の風景」(SIX、good design company、博報堂ケトル、博報堂)
【Film Craft部門】
●ゴールド: 相鉄グループ/相鉄・東急直通記念ムービー「父と娘の風景」(SIX、good design company、博報堂ケトル、博報堂)
●シルバー: パナソニック/「Make New」コンセプト篇(Spoon、good design company)
●ブロンズ: グッチ/「Kaguya by Gucci」(電通、(つづく))
●ブロンズ: 相鉄グループ/相鉄・東急直通記念ムービー「父と娘の風景」(SIX、good design company、博報堂ケトル、博報堂)
【Industry Craft部門】
●ゴールド: JRグループ/鉄道開業150周年「My Japan Railway」(電通)
●ブロンズ: アドミュージアム東京/「Beautiful Panic」(電通)
【Creative Business Transformation部門】
●ゴールド: 日本経済新聞社「国内総充実(GDW)」(電通)
●ブロンズ: 甲子化学工業/HOTAMET(TBWA HAKUHODO)
【PR部門】
●シルバー: 日本経済新聞社「国内総充実(GDW)」(電通)
【Entertainment Lions for Gaming部門】
●ブロンズ: ソニーPlayStation/「遊びのない世界なんて」(SIX、博報堂、博報堂ケトル)
【Entertainment Lions for Music部門】
●ブロンズ: 朝日新聞社/「Journa-Rhythm」(TBWA HAKUHODO)
【Innovation部門】
●ゴールド: 甲子化学工業/HOTAMET(TBWA HAKUHODO)
【Sustainable Development Goals部門】
●ブロンズ: 日本経済新聞社「国内総充実(GDW)」(電通)
化石燃料との取引、活動家がカンヌで指摘
カンヌライオンズで活動を行うことを明らかにしていたキャンペーングループ「クリーン・クリエイティブス(Clean Creatives)」の活動家が、リチャード・エデルマン氏(エデルマン社CEO)の背後でプラカードを掲げた。
この日、エデルマン氏はセッション会場に向かう途中だった。出入口が一つしかない会場で講演するという情報を聞きつけ、エデルマン氏の後ろで「この人物は化石燃料企業と取引をしている」「この会社は化石燃料企業のグリーンウォッシュに喜んで加担している」と書かれたプラカードを持つ様子が撮影された。
他にも、Z世代とジェンダー格差や、女性のエンパワーメントに関するパネルトークで登壇していたエデルマン社やシェルの幹部に対し、環境破壊についての質問が投げかけられる場面もあった。
ユーチューブ、ゲーミング機能をテスト中か
ユーチューブがオンラインゲームのテストをしていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。グーグルが社員宛てに送ったメールによると、ウェブブラウザやアプリで遊べる「Playable」など、さまざまな新サービスをテストしているという。
親会社のアルファベット社が今年4月に発表した財務情報によると、ユーチューブの広告事業は売上高が前年同期比2.6%減と不調だ。今回報じられた新機能は、同社が新たな収入源を模索していることを示した動きといえるだろう。ユーチューブの広報担当は「ゲーミングは、ユーチューブで長らく重視されてきました」とコメント。「私たちは常に新しい機能を試していますが、現時点では発表できることは何もありません」。
電通グループ、米州のCEOにコマシンスキ氏を任命
電通グループは、dentsu AmericasのCEOにマイケル・コマシンスキ氏を7月1日付で任命すると発表した。同氏は2015年にエージェンシー・サービス部門のCOOとしてマークルに入社後、2021年にグローバルCEOに就任。今年1月からは電通インターナショナル(海外事業)と電通ジャパンネットワーク(日本事業)の統合に伴い、dentsuインターナショナル・マーケットCXMのCEOを務める。
電通グループの代表執行役社長CEO、五十嵐博氏は「人を惹きつける魅力のあるリーダーであると同時に、クライアントのニーズを細部まで汲み取りながら、戦略的にビジネスとチームを成功に導くことのできる優れたリーダー」と評価する。「成長のためのスキル、テクノロジー、データを結集した彼の知見は、dentsuが人基点の変革を推進するビジネスの次のステップを踏み出す上で不可欠なものです」。
コマシンスキ氏も、「dentsuは、One dentsuとして統合を進める重要なフェーズにあります」とコメント。「顧客企業のニーズが高度化・多様化している今こそ、私たちには飛躍の機会があるといえます。私は、米州のリーダーを引き継ぐことをとても誇りに思いますし、顧客企業や従業員とより深い関係を築き上げ、事業を推進していきたいと思います」。
(文:田崎亮子)