カンヌライオンズ、6月に開催
カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル事務局は、同フェスティバルが予定通り6月21日から25日にかけて開催されると発表した。
昨年はコロナ禍の影響でライブイベントが中止。代わりに初のオンラインイベントとなる「ライオンズライブ」のみを開催、広告賞の授与は行われなかった。今年は例年通り賞の選考が行われ、2019年3月から2021年4月までの間に発表された作品が審査対象となる。
カンヌライオンズのチェアマン、トーマス・フィリップ氏は以下のようにコメント。「現在も旅行や移動が規制されていますが、数種類のワクチンの供給が始まったことは6月の開催に向けて希望となる。安全性を考慮し、代表団の人数を制限することもあり得ます」。
「今後も注意深く状況を見守り、フランス当局と密接にコミュニケーションを図っていく。同時期にはすでに多くの大規模な国際的イベントが予定されています。カンヌライオンズ も、通常の開催を希望する声が世界中で大変強い」
昨年10月、カンヌライオンズはマスターブランドとなる「ライオンズ(Lions)」を立ち上げた。1年を通してフェスティバルの存在感をアピールする狙いがある。
ネットフリックス、会員2億人を突破
ネットフリックスの業績が好調だ。有料会員数は世界で2億人を突破。昨年1年間の増加数は3700万人で、第4四半期(10−12月期)は850万人増だった。同期売上高は前年比22%増の66億4444万米ドル(約6900億円)で、純利益は5億4220万ドル。
2020年の売上高は前年比24%増で250億ドルに達し、営業利益は同76%増の46億ドルだった。
「会員数で見れば、我が社はグローバルカンパニーへと変貌しつつある」(同社の株主向け報告)。昨年の新規会員の83%は北米以外の地域の人々で、41%が欧州・中東・アフリカ(EMEA)。2番目に多いのは930万人のアジア太平洋地域(APAC)で、65%という急速な伸びを示した。2021年第1四半期は世界で600万人の会員増加を見込む。
「2020年は収益性が向上し、営業利益率は前年比5%増で18%となった。2021年は20%を目標にしている」と同社。
ネットフリックスはオリジナルコンテンツが好調で、立て続けにヒットを飛ばしている。
昨年はこれまで累計で1億人が視聴した『ザ・クラウン』の新シリーズや、ジョージ・クルーニーが監督・主演した『ミッドナイト・スカイ』などが話題を呼んだ。「現在500本以上の作品の公開準備が進んでおり、2021年は少なくとも毎週1本の新作を発表していく」(同社株主向け報告)予定。
ウィーチャット、中国でのEC売上が倍増
ウィーチャット(WeChat、微信)のeコマースソリューション「ミニプログラム(Mini Programs)」の取引額が2020年に倍増(前年比)し、約2500億ドルに達した。1人あたりの平均取引額も同67%増。
運営会社のテンセント(Tencent、騰訊)はビジネスパートナー・開発者向けに催したカンファレンスでプレスリリースを発表、「ミニプログラムはブランド及び企業のデジタル化導入を容易にし、パンデミックで自宅に籠る何百万人という消費者への直接的なアクセスを実現した」と言及。
ミニプログラムは2017年にスタートした。今では幅広い業種のブランドが活用し、とりわけ運輸・物流、百貨店、アパレル、スポーツ用品などの分野で需要が高い。アクティブユーザー数は昨年12月時点で1日平均4億人超。
ウィーチャットは今週、サービス開始から10周年を迎えた。ひと月のアクティブユーザー数は世界で12億人(昨年12月時点)。
ミニプログラムの躍進で、テンセントの時価総額も8000億ドルに上昇(10年前は470億ドル)。企業ランキングでアジアのトップ、世界でも6番目となる。
「OSU」、日本人の長寿をアピール
アップルサイダービネガー(リンゴ酢)ブランド「OSU」を展開するミツカンが、英国でのキャンペーンに日本人の超高齢者を起用した。長寿で知られる日本人の活力をアピールすることで、製品のヘルシーさをうたう。
動画の中でフィーチュアされるのは、いずれも90歳代という3人の日本人。ファッショナブルに装い、日本の街中を背景にアップビートのジャズで躍動する。
制作を手がけたのは英国のクリエイティブカンパニー「ワンダーフッドスタジオ」。昨年からミツカンと協働する。
OSUは昨年、グレートテイストアワード(Great Taste Awards、英国の高級食品小売組合が主催する食品の国際コンテスト)で最高評価の3つ星を獲得。キャンペーンには「アップルサイダーの分野で過去最大の予算」(ミツカン・ユーロのセールス・アンド・マーケティング・ディレクター、ブライアン・キャロル氏)を使い、製品のさらなる認知を狙う。
アップルサイダービネガーは通常、健康食品として位置付けられる。OSUはそれに加え、「日本の伝統と文化を踏襲するモダンなライフスタイルブランド」としてのイメージ確立を目指す。
(文:水野龍哉)