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広告視聴で寄付のグッドループ、博報堂DYMとDACが提携
博報堂DYメディアパートナーズとデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)は英グッドループ社と提携し、Good LoopドネーションADを日本市場で独占提供する。Good-LoopドネーションADは、動画広告の視聴に応じて広告主が特定団体へ寄付できるというソリューションで、欧米で既に展開されている。視聴者は広告を見るだけで寄付でき、SDGsに負担なく参加できるという仕組みだ。これまでにネスレ、ナイキ、ユニリーバなどが活用し、キャンペーンを展開している。
気候変動の誤情報拡散に、広告やプラットフォームも対応を
コンシャス・アドバタイジング・ネットワーク(Conscious Advertising Network)がメタ(旧フェイスブック)やグーグル、ツイッターなどプラットフォーム企業の経営トップに宛てて発表した公開書簡に、250を超える署名が集まった。内容は、先週グラスゴーで行われたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)に合わせ、気候変動にまつわる誤情報の拡散防止を呼び掛けたものだ。
気候変動関連の誤情報に対応するポリシーがプラットフォーム大手に欠けていることを批判し、COP26にて普遍的な定義づけがされること、具体的なアクションを合意文書に盛り込むことを、会議に参加する意思決定者たちに求めた。またプラットフォーム企業に対しては、誤情報についてのポリシーを策定し、コンテンツやアルゴリズム、広告に至るまで対応することを要求した。
環境保護団体「ストップ・ファンディング・ヒート(Stop Funding Heat)」の調査によると、今年1~10月の間に気候変動にまつわる誤情報を含んだ広告がフェイスブックに113件掲載され、これらの広告費は58,000~75,000米ドル、ビュー数は830万~1,170万に上ると推定される。
エデルマンに石油会社への協力をやめるよう100名超が署名
キャンペーングループ「クリーン・クリエイティブス(Clean Creatives)」は、PRエージェンシー最大手であるエデルマンに対し、化石燃料を扱うクライアントへの協力をやめるよう公開書簡で呼びかけ、これにセレブリティーやインフルエンサー100名超が署名した。同社がエクソン・モービルやシェルに協力することは「化石燃料燃焼による温室効果ガス排出に、マーケティング活動を通じて積極的に貢献」するもので、「グリーンウォッシングという言葉ではあまりにも穏やかすぎる」と批判した。
この批判に対し、エデルマンのスポークスパーソンは声明を発表し、「さまざまな業界のクライアントが進めていくサステナビリティーの取り組みを、支援することに重点を置きたい」とコメントした。「気候変動を否定することを目的としたクライアントの案件は受け入れない」とした上で、「クライアントと議論する機会を持つことが重要で、気候変動に関連した仕事をもっと多く実施していくことが義務だと信じている」。
ユーチューブ、年末商戦に向けてライブコマースを米国で試験導入
ユーチューブはホリデーシーズンを前に、米国でライブコマース「ホリデー・ストリーム&ショップ」を試験的に今月22日まで実施する。ユーチューブのクリエイターが新製品を紹介したり特別割引を提供し、視聴者はリアルタイムにコミュニケーションをとりながら購入できる。
ピュブリシスとトーク・ショップ(TalkShoppe)の調査によると、視聴者の75%はユーチューブを買い物のインスピレーションに得るために使っており、クリエイターの配信は消費者の財布のひもを緩めることが分かっている。さらに視聴者の85%は、クリエイターのおすすめを信頼していると回答した。
ホリデーシーズンの心温まるCM
本格的なホリデーシーズンを目前に公開され始めた、心温まるCMを2本ご紹介する。まずはベルギーのビールブランド、ステラ・アルトワ(Stella Artois)と、マット・デイモン(俳優)が創設した非営利団体「Water.org」が連携したもの。ビールや限定版のグラスを購入すると、より多くの人が安全な水にアクセスできるよう支援する活動を展開している。CM内でデイモンは視聴者に問いかける。「一緒に時間を過ごすことは、贈り物です。しかし世界中で女性たちが一日に何時間も、家から遠く離れた場所まで水を汲みに行っています。もしも、汲みに行く必要がなかったとしたら?」。企画・制作はマザー・ロンドン。
次にご紹介するアマゾンのCMは、パンデミックに振り回された約2年間を経て日常に戻りつつある暮らしと、消えずに残る不安感を描く。主人公の苦痛に気付いた隣人からの贈り物に、気持ちがやわらいでいく。企画・制作はラッキー・ジェネラルズ。
【お知らせ】
アジア太平洋地域のマーケティング及びメディア業界で活躍する若手を40名選出する、Campaign Asia-Pacific主催「40 Under 40 2021」の結果が公開されました。詳しくはこちら(英語)。
(文:田崎亮子)