※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
ヤングスパイクス、2部門とも日本のクリエイターがゴールド獲得
30歳以下を対象としたヤングスパイクスコンペティションの結果が発表された。2021年度は「インテグレーテッド部門」「フィルム部門」の2部門がオンラインで開催され、どちらも日本からのチームがゴールドを獲得した。環境団体「コンサベーション・インターナショナル(CI)」による、乱獲が水産業や生活者に与える影響が、今回のテーマだ。
約360チームが応募したインテグレーテッド部門でゴールドを獲得したのは、村上晋太郎氏(電通)と高彦祐紀氏(リクルート)による「Extinction Date」。両氏のアイデアは、加工食品の賞味期限の表記と一緒に、絶滅の日付も印字するというもの。参加企業はパッケージに絶滅の日付とプロジェクトの説明を記し、売上の1%をCIに寄付することも、企画に盛り込まれている。2017年からヤングスパイクスに応募してきた中で「シンプルなアイデアの強さ」を学んだという両氏は、大胆で率直な表現を心掛けたという。
フィルム部門でゴールドを獲得したのは、真子千絵美氏(電通)と遠藤広隆氏(Jamboree)の「Here today, gone tomorrow」だ。スーパーマーケットの鮮魚コーナーや回転寿司で、謎の男が少年の目の前から横取りしていってしまう。「説明的でなく、視覚的なインパクトのある映像で、国境や言語を超えて伝えること」を目指す中で、「魚がいない未来を描くというアイデアを思いつきました」と真子氏は語る。遠藤氏も「子どもたちの未来を台無しにしているのは、私たちの世代だと気付きました」と述べ、「自分たちの子どもや孫が困るかもしれないと想像できれば、海産物の持続可能性について考えるきっかけになるのではと思いました」。
また、スパイクスアジアのショートリストも23日に発表されている。詳しくはこちら(英語)。
D&ADとグーグル、クリエイター育成で提携
D&AD賞を運営する非営利団体D&ADがグーグルと提携し、大学を卒業していないクリエイターを対象とした無料の育成プログラム「D&AD Shift with Google」を開始する。同団体はクリエイティブの多様性を促進することを目指し、過去5年間にロンドンとニューヨークで教育プログラムを展開してきた。
現在、ロンドンで6~9月に開校されるプログラムの申請が受付中だ。今年からはシドニーでも実施される他、今後3年間で他に2つの都市を加える予定。また今年後半には、同プログラムの参加者ならびに修了生からなる「シフト・エージェンシー」を設立し、クライアントの実際の課題に取り組む予定だという。
フェイスブック、豪州でニュース掲載を再開
豪州でニュース記事の閲覧やシェアを先週禁止したフェイスブックが、掲載を再開することを23日に発表した。記事使用料の支払いを義務付ける法案が同国で審議されていたことへの対抗措置だったが、週末に豪政府と協議を重ね、法案は修正されることとなった。同社のグローバル・ニュース・パートナーシップ担当バイスプレジデント、キャンベル・ブラウン氏によると「我々が選んだ、中小企業や豪州企業を含むニュースメディアを支援できるようになる」という。
パンデミック期の人員削減
広告大手オムニコムとインターパブリックが2020年、パンデミックの影響で人員を大幅に削減していたことが分かった。オムニコムは2019年末時点で70,000名だった社員が2020年末には64,100名(5,900名削減)に、同時期にインターパブリックも54,300名から50,200名(4,100名削減)に減少したことが、アニュアルレポートに記されている。
他の広告大手は、人員数をまだ開示していないが、WPPは2020年上半期で既に5,000名を削減したと報じられており、電通も海外で約6,000名がリストラされたようだ。6大グローバルエージェンシーだけで、少なくとも21,000名の雇用が失われたことになる。
(文:田崎亮子)