電通、売上総利益は増すも営業利益は減
電通は今年上半期の決算の発表とともに、2020年までに構造改革を行う計画を発表した。詳しくはこちらから
広告収入増のスナップ社、ユーザーはどこへ?
若者に人気のSNS「Snapchat(スナップチャット)」を運営するスナップ社がこの第2四半期に、ユーザー数より広告収入の方が速いペースで成長したことが分かった。広告収入は2億6200万ドル(前年同期比44%増)だった一方で、DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)は1億9100万人(第1四半期)から1億8800万人(第2四半期)へと減少している。
同社は最近、プラットフォーム上でのキャンペーンの最適化や効果測定に役立つツール一式など、より多くの広告主を獲得するための施策を展開しており、ブランド側に広告出稿を促してきた。だが、多くの広告主が疑問に思うのは、果たしてスナップチャットはニッチメディアから脱却できるのだろうか、という点だろう。現在のところは、そのような兆候は無さそうだ。
鳴り物入りで登場した音声アシスタント、その実体は……?
テック業界誌「ザ・インフォメーション(The Information)」の報告書によると、アマゾンの音声アシスタント「アレクサ」のユーザーのうち、今年何かを購入する際に音声アシスタント機能を使ったのはわずか2%だったことが分かった。また、音声アシスタント機能を使って商品を購入したユーザーの9割が、再び商品購入において同機能を使わなかったことも明らかに。その理由については同報告書内で特定されていない。だがこの数字は、スマートスピーカーがマーケティングと販売をつなぐ効果的なツールであると世に喧伝されてきたものの実体を伴っていなかったことを物語っている。アレクサは現時点では販売よりもマーケティングに適していると、同報告書は結論づけている。もちろん現在のこの状態が今後も続くとは限らないが、音声によるショッピングが主流になる日が訪れるのは、まだ当分先のことかもしれない。
バーバリーの新ロゴはミニマルすぎる?
バーバリーが20年ぶりに新しいロゴを発表した。デザインを手掛けたのはグラフィックデザイナーのピーター・サヴィル氏。ロゴの刷新は常に議論を呼ぶものだ。ミニマルなレタリング(不可解なことに今回はロンドンの横に「England」という表記も追加された)を賞賛する者もあれば、手厳しい声も。ツイッターには「バーバリーの個性やスタイル、伝統、ビジュアルアピールといった余分な要素を排除し、ロンドンがどこにあるかといった必要不可欠な要素のみを取り入れたピーター・サヴィル氏の手法が好き」と、皮肉に満ちた投稿が見られた。このリデザインには努力の跡がまったく見られないと酷評する者も。
我々はミニマリズムには大賛成だが、一歩間違えると退屈なデザインに陥りがちという危険とも背中合わせだ。中国のメディア「精日传媒」は、新しいロゴでは模倣品を簡単に作れてしまう点を指摘。一理ある意見だが、いずれにせよ、数カ月も経てばすべてが忘却の彼方へと沈み、あたかも新ロゴがずっと昔から使われてきたかのように思えてくるのだろう。
英国、ジャンクフードの広告を禁止
英国の広告基準局は、子どもたちにジャンクフードを奨励しているとして、KFCとケロッグの広告を禁止した。報道によれば、KFCは学校に近接する電話ボックスに誤って広告を掲示したという(ジャンクフードの広告は、学校から半径100メートル以内に掲示してはいけない)。ケロッグは、サルのイラストをフィーチュアした「ココポップス・グラノーラ」の広告が禁止に。子ども向けテレビ番組の中で宣伝したことがその理由だ。この商品そのものは不健康食品ではないのだが、サルのイラストが他の不健康食品にも使用されているため。ケロッグはこの決定に「失望している」と声明を出したが、ジャンクフードから子どもたちを守るため、当局の姿勢がより一層厳しくなっていることを示す措置だ。
トランプ大統領への「賛否」、ブランドの利とならず
トランプ米大統領の就任以来、ブランドは政治的姿勢を一段と鮮明に出すようになった。つまり大統領の方針に反し、民衆の側に立つことが多くなったのだが、どうもこれはあまり意味がないようだ。ニュースサイト「アクシオス(Axios)」の報道によると、市場調査会社モーニング・コンサルトの行った調査で、大統領を非難するブランドを「より評価する」とした反トランプ派の人々はわずか30%ほど。これはトランプ支持派の間でも同じで、大統領を讃えるブランドを「評価する」とした人は少数派だった。この結果は、様々な面で教訓となろう。つまり、ブランドが時事問題に関心を示すのは大切ながら、瑣末な政治論争にはまり込むよりも、自社の価値観を忠実に守ることの方がずっと重要ということだ。
中国では「行動」の前に細心の注意を
万里の長城に泊まる「特別な一夜」を大々的にPRしていたAirbnb。だが中国当局がイベントの承認を否定、突如中止に追い込まれた。6日、万里の長城を管轄する国家文物局は「このPRイベントの件はまったく知らなかった」とコメント。真相を察するに、当局の誰かがどこかの時点で承諾したことは確かなのだろう。だが中国では、警告なしでいきなり「風向き」が変わる。この件から学べるのは、中国で一風変わったプロモーションを行うのなら、全てが完璧に整ったことをダブル(トリプル?)チェックしてから公表すべし、ということだ。特に今回は、多くのイメージ写真を事前に撮影できていたことも油断の一因だろう。
ツイッターはIRを変革するか
活発なツイーターを抑えつけることは不可能だ。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、「株式の非公開化を検討している」とツイートしたテスラのイーロン・マスクCEOが、米規制当局による捜査を受けているという。同氏の奔放なスタイルは、平凡で退屈なIR(投資家向け広報)の世界を活性化するだろうか。間違いなくそうだろう。では、会社経営にとっても有効なのか。おそらくそうではないだろう。なぜなら、PR担当者にとっては「悪夢」だからだ。それでは、マスク氏や他のリーダーたちは今後もこうした行動を続けていくのか。それはほぼ間違いないだろう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉、田崎亮子)