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職業体験プログラム、TBWAがノウハウを公開
香港では、多数派である中華系とそれ以外のマイノリティーとの間に高等教育への進学機会の格差がある。マイノリティーの若者の大学進学率は低く、これが職業の選択肢を狭め、貧困の連鎖を生んでいる。
TBWA香港は香港國際社會服務社(ISS)と協業し、エスニックマイノリティーの若者たちの職場体験プログラムを昨年8月に実施した。15~17歳の高校生6名が参加し、メンターに密着して仕事を観察したり会議に出席した後に、模擬ブリーフィングを受けてキャンペーンのコンセプトを作成した。
そして今週、プログラム全体の流れや留意すべきことなどをまとめたツールキットを公開した。「結局のところ、私たちは香港に数多あるエージェンシーの一つにすぎません。さまざまなエスニックグループに幅広いキャリアの機会が拡大されることを願い、このプログラムを広く展開し、他の組織でも同様の取り組みが行われるよう奨励していくことにしました」とツールキット内に記されている。
大量廃棄を生み出すオンラインセール、打開策の一つは中古品活用
シンガポールを拠点とするフリマサービス「カルーセル(Carousell)」が、サステナビリティーを主題とするキャンペーンをソーシャルメディアやデジタルOOHにて実施している。「オンラインセールは毎年、52万トンもの廃棄物を生み出している。我々はその問題を大きくしているのだろうか?」と問いかける内容で、企画・制作はブレッド・バター・ベーコン社(Bread Butter Bacon)。
「当社の広告は冗談交じりのものがほとんどですが、非常に現実的なサステナビリティーの問題にスポットライトを当てるため、このキャンペーンでは真剣なトーンを選びました」と語るのは、カルーセルのリージョナル・ブランド・マネジャー、ジェマイマ・セオ氏。「キャンペーンの目的は、人々に買い物を完全にやめさせることではありません。中古品を第一候補にするという選択肢を考えてもらうことです」。
泥まみれになる楽しさ、オンラインゲームで訴求
洗剤ブランド「パーシル(Persil)」は、一貫して「Dirt is good(泥汚れは良いもの)」と訴求し続けてきた。今回はオンラインゲームを模した動画で、リアル世界で泥まみれになって遊ぶ楽しさを訴求する。ゲームインフルエンサーによる実況ライブも、インスタグラムやツイッチで配信した。
同ブランドが実施した調査によると、英国の子どもたちが最後に外遊びをして泥まみれになったのは、平均すると約3カ月前。このキャンペーンを担当したバイスプレジデント、タティ・リンデンバーグ氏はこのように語る。「ますます多くの子どもたちが、屋外や自然界とのふれあいを失っていることに気付き、外に出て泥だらけになる楽しさを再び味わってほしいと考えました」。
世界的な著名人を無駄遣いしたくなるほどの絶景
スイス政府観光局がこのたび公開した動画は、アンバサダーを務めるロジャー・フェデラー(世界的テニスプレーヤー)がCMの共演者としてアン・ハサウェイ(女優)を招いたという設定だ。仕上がったCMの試写で2人は苛立ち始める。壮大な自然を引きで撮影した映像ばかりが使用されているのだ。
「私たち、まるでアリみたい」とアンは嘆き、ロジャーは制作陣から話を聞く。するとディレクターは「2人が起こす化学反応は衝撃的なので、スイスの雄大な風景の中で繊細にとらえる必要があった。ポストカードのように」と説明。「ではなぜ氷河の上を20回以上も歩かされたのか」と呆れる2人だが、制作陣は「あの20秒のテイクは完璧」で全員鳥肌が立つほど感動したとのこと。
さらに制作陣は氷河湖でのシンクロナイズドスイミングも、その際に見えたロジャーの腹筋も素晴らしかったと絶賛。「何も見えないじゃないか」と不満そうなロジャーに対し、「では『ロジャー・フェデラーの腹筋よりも荘厳なグランドツアー』と言ってみてはどうだろう?」という案まで飛び出す。休憩に入ったアンは「次はメリル(・ストリープ)を呼んだら?」と言うが、「もう誘ったけど断られたんだ」とロジャー。なお、ロバート・デ・ニーロ(俳優)に出演を断られたという前作についても、この動画開始20秒後で触れられている。
【お知らせ】
強い影響力を放つマーケターを選出する「パワーリスト」の応募が始まりました。エントリー締切は4月22日(金曜)まで。詳しくはこちら(英語)をご覧ください。
(文:田崎亮子)