TBWA HAKUHODOの代表取締役社長兼CEOに内田渉氏
TBWA HAKUHODOは4月1日付で、代表取締役社長兼CEOに内田渉氏が就任したと発表した。前任の今井明彦氏は取締役に就任した。
内田氏は1992年に博報堂に入社。2000年にTBWA HAKUHODOの前進である博報堂ジーワンに出向し、2006年からTBWA HAKUHODOに参画。タッチポイント戦略局デジタルコミュニケーションプランニング部 部長、執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員、日産ビジネスユニット局長、経営戦略ユニット長兼総務局長などを歴任。テクノロジーを使ったブランドのトランスフォーメーションを推進してきた。
「“イノベーション”や、“両利きの経営”が強く求められる時代に、広告を“邪魔者“と感じる人々や、我々の仕事はAIが取って代わるという人々もいるでしょう。その変化を黙殺するつもりはなく、むしろ楽しみたいと考えています」と内田氏はコメント。「広告会社として磨き上げた我々のクリエイティビティーは、まだまだ無限の可能性を持っていると私は信じています。事実、我々の武器であり、カルチャーでもある『DISRUPTION』は、定説や表層的事象を疑うことから始まり、ものごとの本質的価値、本質的課題を深く理解することを根幹においたものであり、その活用が今まさに必要とされていると感じています」。
IPGメディアブランズ、日本オフィスのCEOにマット・ウェア氏
インターパブリックグループ(IPG)のIPGメディアブランズ ジャパンのCEOに、マット・ウェア氏が4月1日付で就任した。
IPGのメディア・マーケティング・ソリューション部門であるIPGメディアブランズで、ウェア氏はテクノロジー主導型のパフォーマンスエージェンシー「キネッソ(Kinesso)」のアジア太平洋地域CEOを務め、5年以上は日本を拠点としていた。
IPGメディアブランズのアジア太平洋地域CEO、リー・テリー氏はウェア氏のことを「デジタルの深い専門知識と、ローカル市場に対する実践的な知識とインサイトを有しており、日本市場におけるポジショニングを推進する上で最適な人材」と期待を寄せる。
ウェア氏は「IPGメディアブランズ ジャパンのリーダーとして、日本に再び戻ってくることができ、とても嬉しく思っています」とコメント。「アジア太平洋地域で15 年働いてきた私にとって、⽇本は常に特別な場所でした。⽇本はイノベーションと刺激に満ちたマーケットで、世界的企業が活躍する場であるだけでなく、テクノロジー分野も、活発で活気に溢れています。⽇本の広告業界で働くのに⼤変魅⼒的な時期であり、再び⽇本で働けることを⾮常に楽しみにしています」。
カンガルーとの衝突を避ける装置を開発 豪フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は豪州で、メルボルン大学、WIRES(豪州最大の野生生物保護団体)、DDBシドニーと共に、カンガルーとの衝突事故を減少させる装置「ルーバッジ(RooBadge)」を発表した。
3年をかけて開発されたこのバッジはフロントエンブレムに装着すると、GPSやカンガルーの分布データをもとに、車両の近くにいるカンガルーに向けて、鳥の警報音やディンゴの鳴き声、カンガルーの足音などを合成した音声を発信。豪州の4種類のカンガルーすべてに対応できるという。
フォルクスワーゲンで商用車部門のディレクターを務めるライアン・デイビス氏は、同社がこのプロジェクトに時間や労力を投資する理由について、「私たちにはそれができるし、それが正しいことだからです」と述べている。「カンガルーとの衝突は悲惨な事故になり得ます。一度見たら簡単には忘れられませんし、自身が経験したならばなおのこと。また、カンガルーを避けようとする対向車と正面衝突し、人間にとって致命的な事故となる可能性が高くなります」。
大気の状態を6段階のケーキで再現 富士通
富士通が有名パティスリーとコラボレートし、CO2やPM2.5など大気の状態を表現した「カーボンケーキ」を発表した。
環境・社会・経済活動のバランスについて考えるこのユニークなプロジェクトは、富士通のソーシャルデジタルツイン技術によって先進国の都市を想定した交通や人の行動を高度に再現。その算出スコアをもとに、ケーキの形や色を表現した。カーボンケーキはCO2(ベーキングソーダ)やPM2.5(煤)を原材料に使用した「食べられないケーキ」で、大気の状況によってこれらの材料の量を変えている。ケーキの色が濃くて形が歪んでいるほど、CO2やPM2.5の値が高くて環境スコアが低い。
さらに、3月中旬には都内でイベントを実施し、6段階のカーボンケーキや、ケーキに活用したデータセットを提示した。有識者を招いたパネルディスカッションも行い、環境、社会、経済のバランスについて深く掘り下げ、最後に参加者に「きれいな空気」を表現したケーキが振るまわれた。
PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIのシェフパティシエールである岩柳麻子氏は「ケーキの制作はとても難しかったですが、最終的にはケーキの見た目をしつつも、少し怖い・気持ち悪いといった違和感を表現することができました。このプロジェクトを通して、私自身も難しく捉えがちな環境問題を『自分ごと』として体感することができ、とても貴重な経験でした」と述べている。
富士通のチームメンバーは「本プロジェクトを通して、環境問題という見えにくい社会課題をケーキという身近なものを通して可視化することで、未来を選ぶ当事者は自分たちであることを参加者と共有できました」とコメント。今後もユニークな取り組みを続けていくという。
(文:田崎亮子)