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意外な企業もウクライナ発祥 購入して応援
ウクライナにゆかりのある企業を支えるキャンペーン「Spend With Ukraine」が始まった。立ち上げたのはキーウ(キエフ)のデザイン会社「オーゼロ・デザイン(O0 Design)」で、グローバル展開するウクライナ企業を紹介し、これらの企業の製品・サービスを購入することで経済的に支えることを目指す。紹介されている企業には、ルームウェアブランド「スリーパー(Sleeper)」やレディースウェアブランド「アンナ・オクトーバー(Anna October)」、ペット見守りカメラ「ペットキューブ(Petcube)」、英文ライティング支援「グラマリー(Grammarly)」などがある。
「ウクライナのチームメンバーは、これらのビジネスで仕事を継続できるでしょう」と、オーゼロ・デザインとペットキューブの共同創業者であるアンドレイ・クレン氏は語る。「国際社会がロシア製品をキャンセルしている中、ウクライナのビジネスを促進することは理にかなっています」。
ウクライナのクリエイターに、仕事の機会を
ウクライナ侵攻によって、クリエイティブ業界は大きな影響を受けた。WIREDによると、ウクライナにはオンラインで業務を請け負うギグワーカーが多いという。
そんな中、タレントハウス(Talenthouse)社が運営するクリエイターのためのマッチングサイト「エロワークス(ElloWorks)」が、ウクライナのクリエイターに特化したプラットフォーム「e!クリエイティブ(e! Creative)」を3月下旬に立ち上げた。既にウクライナのクリエイター約2,000名が登録しており、今はエージェンシーやブランドパートナーからのクリエイティブブリーフを募集している。
売上はすべてクリエイターに支払われ、プラットフォームとして手数料は受け取らないが、目指しているのはチャリティーではなく、困難な状況に置かれた人材と仕事をつなぐハブとなることだ。プラットフォーム立ち上げメンバーの一人、ナディア・スクリニク氏(アド・ベイカーズ・ウクライナのクリエイティブディレクター)はこのように語る。「私たちのポートフォリオを見て、チャンスとチャレンジを与えてください。それが、私たちが望むすべてなのです」。
企業のウクライナ対応に向けられる、消費者の目
ウクライナ侵攻に対する企業の対応を、消費者の83%が注視していることが、キャリバー(Caliber)が米国、英国、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、日本の3,177名を対象に実施した調査で明らかになった。回答者の78%は「積極的な対応を期待」しており、銀行、通信、石油・ガス業界で「企業評判の大幅な低下」がみられた。特に大きく評判を落とした企業として、ダノンやソシエテ・ジェネラルが挙げられる。
企業が行うべきなのは人道支援(回答者の40%)やロシアでの事業停止(同36%)で、これらを実施した企業を支持すると述べた回答者は63%に上る。早々にロシア事業から撤退したBPやシェルは、消費者から好意的にとらえられているという。
レビュー風の動画が伝える、銃の「効用」
引き金の動きはスムーズで、リロードも非常に早いため家宅侵入に最適――。女性がにこやかに語る商品レビュー風の動画で、紹介されているのは銃。これは銃規制を訴える米団体「ガンズ・ダウン・アメリカ(Guns Down America)」が、エナジーBBDO(Energy BBDO)と共に制作した動画だ。
「この銃の素晴らしいところは、箱から出してすぐに発砲できること。握り心地が良く、15連マガジンもついてきます。アパートへの侵入を試みる際には、一般的な建材や玄関ドアくらいの厚さのものは簡単に貫通できます」と続く。そして「私はそれを誰よりもよく知っています」と語る彼女は、実は元夫に2回撃たれたことがあるサバイバーで、撃たれた後の感覚や感情を淡々と語る。
観光地での貴重な体験、責任ある行動で貯めた「ポイント」で
パスポートに環境保護誓約をスタンプするパラオ共和国の「パラオ・プレッジ(Parau Pledge)が、カンヌライオンズでグランプリを獲得したのは2018年のこと。このたび、そのフォローアップとなるキャンペーン「オラウ・パラオ(Ol’au Palau)」が開始された。
観光客は滞在中のサステナビリティーに貢献する行動に応じて、ポイントがアプリに加算される。このポイントを貯めた者のみが「地元の長老との出会い」「村への訪問とコミュニティーとの昼食」「秘境での伝統的な釣り」といったユニークな体験をできる。旅の充実度を左右するのは旅行予算の多さでなく、観光地への敬意と責任ある行動という仕組みだ。企画・制作はホスト/ハヴァス(Host/Havas)。
(文:田崎亮子)