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香港デモを想起させるデザインが炎上
ティファニーの広告が、香港のデモを支持しているとして批判を浴びた。モデルの中国人女性が片手で片目を隠すポーズが、右手を手で覆うデモ隊のポーズに酷似しているというのだ。デモ隊のポーズは8月、参加していた女性が右目を負傷したことに抗議するもの。ティファニーの撮影は5月だったというが、それでも同社にとって香港は、米国、日本、中国に次ぐ第4の巨大市場。広告の使用をただちに止めた。
今週は他にもヴァンズが、香港デモを描いたスニーカーのデザイン案を取り下げた。同社が開催する一般公募コンテスト「カスタム・カルチャー」に、カナダの応募者が、香港を象徴するバウヒニアの花や、ガスマスクを着用したデモ隊、雨傘などを描いたデザイン案を応募。10月1日の投票開始から14万票以上を獲得していたが、コンテストのガイドラインに則さないとして5日にデザイン案を取り下げている。これに抗議するデモ支援者が、ヴァンスのスニーカーを燃やしたりごみ箱に捨てる様子をSNSに投稿するなど、批判が集まっている。
また、NBL(米プロバスケットボールリーグ)のチーム幹部がツイッター上で香港デモを支持したことに対して、中国のスポンサーが続々と撤退。だがNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は表現の自由を守ることを主張し、真っ向から衝突している。
マインドシェア、ユニリーバと共に気候変動に立ち向かう
地球温暖化の進行を止めるため、二酸化炭素などの排出を抑える「低炭素社会」の実現は、人類が直面する課題だ。マインドシェアは先月、クライアントの売上増といった短期的なニーズにも、そして低炭素社会実現につながるという長期的な視野においても、マーケティング活動で応えていく「#ChangeTheBrief」を宣言していた。そして、同社の主要クライアントであるユニリーバと共に、カーボンフットプリントの削減に取り組んでいくと今週発表した。日用消費財大手であるユニリーバが参加することは、環境への影響という面でも、産業界への問題提起という面においても、少なからず影響を与えることが期待できる。
TikTok、政治的な広告を禁止
ショートムービー投稿プラットフォーム「TikTok」は、政治的な広告の掲載を禁止すると発表した。創造性を発揮するポジティブで楽しい場であるTikTokにそぐわない、というのが理由だ。確かに、先日Spikes Asia2019で賞を獲得した日本赤十字社「#BPM100 DANCE PROJECT」のようなアップテンポで楽しいコンテンツの方が、TikTokというプラットフォームの特性に合っているだろう。一方、同社の動画検閲ガイドラインが中国にとって都合の悪い動画を削除したり、見られにくくするよう指示しているとガーディアン紙は報じている。
メディアに登場する人物は、今も男性が中心という現実
Campaignではこれまで、さまざまな角度からジェンダー平等について取り上げてきており、また、広告界で活躍する女性を表彰するアワードも開催している。しかし振り返ってみると、業界内のリーダーシップの大半は男性であることもあり、記事に登場する人物には男性が多いのも「不都合な事実」だ。そこでCampaign Asia-Pacificでは2018年7月~2019年6月の記事を全て調べたところ、女性1224名(32%)に対し、男性2576名(68%)という結果に。その差が最も狭まったのは、女性リーダー大賞発表の時期に合わせて、女性をフィーチャーした記事が多く公開された5月で、男性57%に対して女性43%であった。業界内の女性たちに、重要なポストに就くよう強制することはできないが、業界全体の姿を正しく映し出すメディアとなるよう、取材先や寄稿者を選ぶ際に、性別のバランスを念頭に入れることは可能なはずだ。今後も調査を実施して報告していく予定。
(文:田崎亮子)