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CES、新型コロナ感染拡大により1日短縮
家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が、米ラスベガスとオンラインのハイブリッドで開催中だ。当初8日までの開催を予定していたが、新型コロナウイルスのオミクロン株感染拡大を受け1日短縮となった。T-モバイル、AT&T、メディアリンクなどの企業はリアルでの参加を見送っている。今回特に注目が集まっているのは、インターネット上の仮想空間「メタバース」に関連した最新技術だ。
NBC、広告IDのプラットフォームの立ち上げを発表
米メディア大手のNBCユニバーサルがCESで、広告IDのプラットフォーム「NBCユニファイド(NBCUnified)」を立ち上げると明らかにした。同社のストリーミング視聴者やニュースレター購読者、ECサイトでの購入者などファーストパーティーデータを、広告主やサードパーティーのデータと組み合わせ、パーソナライズド広告の配信に役立てる。同社が保有するIDは1.5億人、5000万世帯に及ぶ。
電通、サステナビリティのガイドを無料公開
電通ジャパンネットワークは先月末、「サステナビリティ・コミュニケーションガイド」を発行した。2018年に制作した「SDGsコミュニケーションガイド」を刷新したもので、直近数年間のサステナビリティに関する国内外の情勢や、コミュニケーション施策のチェックリスト、「環境」と「人権」で確認するべきポイントがまとまっている。
チームメンバーの多様性や、企画立案の際に考慮すること、表現において注意すること、寄せられた意見への対応など、コミュニケーションの前から発信後までが、さまざまな失敗例を交えながら具体的に示されており、無料でダウンロード可能だ。
2022年のトレンド予測概括
年末年始になると、新年のトレンド予測が広告・マーケティング業界各社から発表される。このたびCampaign編集部はこれらの予測を読み、15の要点に概括した。その中から、以下に3点ご紹介する。
まず、パンデミックによって世の中が不安定化し、「主導権を握っていることを、消費者はもっと実感したくなるだろう」と予測したのは、ミンテル「グローバル・コンシューマー・トレンド2022」だ。商品の原材料に何が使われ、何が使われなかったか、効果がどの程度見込めるのかといった情報が求められており、「変化する個々のニーズや状況に合わせて意思決定を行うために、消費者は明確で透明性のある情報、柔軟性、オプションを必要としています」。
アプノベーション「トップ・マーケティング・トレンド2022」によると、信頼とソーシャルグッド(社会を良くする活動や製品)はCMOにとって必須項目になる。消費者はマーケティングの意図を警戒している他、彼らの期待に政府が沿えない場合にはブランドやマーケターに応えてほしいとも考えている。消費者からの期待に応えるためにCMOは、個人情報の安全性を確保すること、そしてブランド力を利用して重要な課題に声をあげることで、消費者との信頼関係の構築に注力するべきだという。
フォレスター「プレディクションズ2022」は、「変革の新しい波が来るだろう」と予測。デジタルによる均一化やIT投資のリターン低下によって、事業価値の提供はますます激しい競争になる。新しい変革では「人間を中心としたテクノロジーが、顧客体験と従業員体験を密接に結びつけ、競争優位性を高め、生産性を3~5%向上させるでしょう」。
その他のトレンド予測概括について、詳しくはこちら(英語)から。
ポルシェAPAC、夢を追い続ける女性の勇気を支援
アジア太平洋地域での事業開始から20周年を迎えたポルシェが、同地域向けのキャンペーン動画を公開した。車そのものに焦点を当てるのではなく、ポルシェのフォルムに魅せられ、夢に忠実であり続けた人物の物語が軸になっている。幼いころにポルシェを見た少女は、学校で授業中に空想にふけり、成績の悪さを親から怒られる。だがデザインの道に進みたいという希望を貫いた彼女はその後、父親から認められ、憧れていたポルシェにも乗ることができたようだ。手掛けたのはシンガポールの映像作家、ロスリー・ユソフ氏。
なお同社は、NPO「ユナイテッド・ウィメン・シンガポール」のプログラムを支援するため。10万ユーロの奨学基金を立ち上げたことも発表した。
(文:田崎亮子)