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広告界の重鎮がもしも女性だったら…?
ジェーン・ヘガティ、ダヴィーナ・ドロガ、シャーロット・サーチ…。どこか見覚えのあるこの女性たちの顔は、ジョン・ヘガティ、デイビッド・ドロガ、チャールズ・サーチの顔をAIが女性に描き替えたものだ。そして、広告業界の有名な男性リーダーたちがもしも女性だったら、はたして成功できただろうかと問いかける。
これはアナログフォーク(AnalogFolk)が立ち上げたソーシャルメディア・キャンペーンのビジュアルだ。同社は広告業界のクリエイティブ・リーダーの多様性を推進するため、エージェンシー間で共有できるオープンソースなタレントプール(優秀な人材のデータベース)を作ることを呼びかけている。
「クリエイティブ業界のリーダーシップに多様性をもたらし、社会的な成功への扉を大きく開くことが目標」と同社のマネージングディレクター、アンナ・ルイーズ・グラッドウェル氏は語る。「広告業界では女性のクリエイティブ・リーダーの可視性とレプリゼンテーション(表象)が欠如しており、この問題の解決にむけてキャンペーンを推進しています」。
また、同社ではクリエイティブを率いるリーダーも募集しているが、「この役職に女性を特に採用したいわけではありません。しかし、現在私たちが目にするタレントプールは多様性もバランスも欠けています。女性は一体どこにいるのでしょうか?」
英広告業協会(IPA)によると、広告業界の54.7%を女性が占めている。だがD&ADフェスティバル2024によると、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターやクリエイティブ・リーダーのうち、女性はわずか17%だという。
グループエムのグローバルCEOにレッサー氏
WPP傘下グループエム(GroupM)のグローバルCEOであるクリスチャン・ジュール氏が年内に退任し、後任としてブライアン・レッサー氏が就任する。
レッサー氏はザクシス(Xaxis)、アップネクサス(AppNexus)などを経て、2015~2017年にグループエムの北米担当CEOを務めた。その後はAT&T、オグリー(Ogury)を経て、現在はインフォサム(InfoSum)のチェアマン兼CEO。今年9月にグループエムに復帰する予定だ。
2019年からグローバルCEOを務めたジュール氏は、WPPの企業開発担当プレジデントに就任する。
WPPのマーク・リードCEOは、レッサー氏を「データとテクノロジーを駆使したマーケティングで実績を積み、業界で高く評価されている幹部の一人」と評する。「グループエムを知り尽くしているだけでなく、事業の将来に対して力強いビジョンを持っています。WPPに再び迎えることができ、嬉しく思います」。
収益増のオムニコム、APAC地域では低調
オムニコム(Omnicom)が第2四半期の決算を発表した。オーガニック成長率は+5.2%で、広告・メディア分野(前年同期比+7.8%)の力強い成長が全体を牽引した。収益は38.5億米ドルで、前年同期(36.1億米ドル)から増加したが、アジア太平洋地域は4.3億米ドル(前年同期比-0.1%)と低調だった。
ジョン・レンCEOは、生成AIの影響力が拡大する中で、クリエイティビティーと才能ある人材がこれまで以上に重要になると述べた。成長の原動力であるデータやテクノロジー、コンテンツ制作、eコマース、リテール、パフォーマンスメディアに、引き続き投資していくという。
ピザハットがドミノの公式スポンサーに!?
ピザハット(Pizza Hut)が英国で「ドミノの公式スポンサー」を名乗るキャンペーンを展開した。まず公開されたのは「ドミノが好きな人はピザハットも好き」と表示するデジタルOOHと、ドミノのスポンサーであることに焦点を当てたソーシャルメディアだ。
続いて同社は、米アラバマで開催されたドミノ倒しの世界選手権の「公式パートナー」であることを明かした。ソーシャルファーストなオーディエンスに焦点を当てたこのキャンペーンについて、ピザハットの英国&欧州担当CMOであるジャナ・ウライテ氏は「顧客に驚きと喜びを与えることが、当ブランドの核心」と語る。
「ドミノ世界選手権2024とのパートナーシップを発表するこのキャンペーンでは、ブランドと商品のリニューアルの一環として当社ならではのテイストを確立し、トーン・オブ・ボイスを一新しました」。企画・制作はアイリス・ワールドワイド(Iris Worldwide)。
【お知らせ】
マーケティング・コミュニケーション業界の傑出した若手リーダーを選出するCampaign Asia-Pacific主催「40 Under 40」のエントリー最終締切を、7月31日(水)に延長しました。今年の審査員も発表となりました。詳しくはこちら(英語)。奮ってご応募ください!
(文:田崎亮子)