David Blecken
2017年9月26日

元エッセンスMD、住友商事へ

6月にエッセンスを退職した西谷大蔵氏が、住友商事のデジタル事業を牽引していくことになった。

西谷大蔵氏
西谷大蔵氏

西谷大蔵氏が住友商事メディア・エンターテインメント事業部のエグゼクティブプロデューサーに就任した。同氏はデジタルエージェンシーのエッセンス(Essence)で、日本担当マネージングディレクターを務めていた。

「住友は建築から消費財までの分野をカバーする多様な企業。今はデジタルメディアやマーケティングの分野で存在感を高めようと、真剣に取り組んでいます」(西谷氏)。同社は現在、傘下のデジタルメディアの設立や国内外のコンテンツクリエイターたちとのコラボレーションを検討中だ。

今年4月、住友商事はニューズ・グループの元幹部ピーター・チャーニン氏が率いる米国のメディア企業チャーニン・グループ(The Chernin Group)とパートナーシップ協定を締結した。同グループは映画やテレビドラマを制作するチャーニン・エンターテインメント社のほか、アニメーションや動画を配信するサービス「クランチーロール(Crunchyroll)」、インターネットラジオを運営する「パンドラ・メディア(Pandora Media)」、ニュース情報サイト「フリップボード(Flipboard)」といった様々なデジタルメディアを保有する。

今後の自身の役割について西谷氏は詳細を明らかにしなかったが、「より戦略的なものになっていく」とコメント。エッセンスのような独立系エージェンシーから創業97年の老舗企業へ移ることに関しては、「住友の文化には柔軟性があり、懸念はありません」。今回の就任の動機については、「まったく新たな分野を成長させていけるチャンスと、投資にも積極的な住友の姿勢に魅力を感じました」と語る。

同氏はエッセンスに入社後、1年余りで退社。電通を皮切りにディズニーやバイアコム(Viacom)、コムスコア(Comscore)、アップルなどでの勤務経験がある。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:米司法省がグーグルにChrome売却などを要求

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

トランプ再選 テック業界への影響

トランプ新大統領はどのような政策を打ち出すのか。テック企業や広告業界、アジア太平洋地域への影響を考える。

4 日前

誰も教えてくれない、若手クリエイターの人生

競争の激しいエージェンシーの若手クリエイターとして働く著者はこの匿名記事で、ハードワークと挫折、厳しい教訓に満ちた1年を赤裸々に記す。

2024年11月15日

世界マーケティング短信:化石燃料企業との取引がリスクに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。