博報堂と博報堂プロダクツが10月18日、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の専門ファクトリー「hakuhodo-VRAR」を設立した。新組織には、両社から経験豊富なエキスパートを結集。博報堂のクリエイティブ力や戦略・企画力と、博報堂プロダクツのデジタル技術や映像・編集技術、イベントプロデュースなどの実施力を掛け合わせる。
またAR領域では、英国で2011年に創業したARエンジンの開発・提供を行うKudan Limitedの日本法人と提携。マーカーを必要としない空間認識や即時の画像認識など、同社の高精度な技術を、新組織でマーケティングに活用していく。
生活者はモノや情報だけでなく「体験」を求める傾向がある。体験型のマーケティングがますます重要になる中で、「VR・ARには『体験』を深く進化させる力がある」と博報堂の広報担当は語る。「そこで私たちはVR・ARによる『体験』を起点に、統合的にマーケティングを捉え、課題解決していく専門ユニットを立ち上げたのです」
VR・ARは近年、スマートフォンでの利用や、装置の個人での購入ができるようになるなど、身近なテクノロジーとなりつつある。その活用の場も、エンターテインメントのみならず医療や製造業など幅広い。「進化のスピードが速いVR・ARの領域で、専門知識をいち早く取り入れ経験を積む必要性があった」と、独立した組織を立ち上げた背景を説明する。
新組織ではVR・ARを次世代の事業の中核に据え、プロモーション領域の拡大や他企業との連携、メディア開発やソリューション開発を視野に入れていく。
(文:田崎亮子)