この調査は昨年11月、関東・関西に居住する15〜74歳の2400人を対象に実施。日常を5つの生活場面に分け、それぞれの空き時間で優先的に接触するメディアを4つの年代別に調べた。その結果、日常の全ての空き時間で若年層(10〜30代)はデジタルを、40代以上はテレビを優先的に利用していることがわかった。
まず、ティーンエイジャーと20〜30代は1日を通してデジタル中心の生活を送る。「起きてすぐ」から「寝る前」まで、1日を通して優先的に閲覧するのはSNSだ。また、「起きてすぐ」にはLINE、帰宅後「自宅でくつろいでいる時」にはユーチューブの視聴も多かった。SNSやユーチューブを利用する傾向は、20〜30代よりもティーンエイジャーの方が顕著だった。
一方、40代以上は昼夜を問わずテレビを優先的に利用。その傾向は60代で最も顕著で、「食事中」には4割超がテレビを視聴する。また40〜50代は「寝る前」にユーチューブも多く利用し、その比率はテレビに匹敵した。
全ての年代を通じ、「起きてすぐ」「通勤通学中」は情報収集、帰宅後は娯楽目的でメディアを使い分ける傾向がうかがえる。具体的に挙げれば、「起きてすぐ」「通勤通学中」は情報収集に適したX(旧ツイッター)やニュースアプリ/サイトが、「自宅でくつろいでいる時」は娯楽性の強いユーチューブが優先的に利用される。また、テレビは終日利用されるが、「起きてすぐ」は情報収集とともに時計代わりとして、帰宅後はバラエティー番組やドラマなど娯楽目的として視聴される傾向が強い。
年代別で詳しく見ると、特徴的だったのはティーンエイジャーと60代以上だ。ティーンエイジャーは自宅での空き時間にSNS、特にTikTok(ティックトック)の閲覧が9%と高い。また、「通勤通学中」は音楽/音声配信サービスの聴取が12%で、全体平均の4%を大きく上回った。60代ではテレビの利用が圧倒的に高く、中でもニュースアプリ/サイトの視聴が終日多い。また「起きてすぐ」「通勤通学中」にはラジオ/radikoを利用した情報収集も目立った。
調査全体を通じ、消費者は目的に応じ、接触するメディアを使い分けていることがうかがい知れた。
(文:水野龍哉)