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世界のさまざまな国で、TikTok禁止の動き
プライバシーや安全保障を理由に動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」を禁止する動きが、欧米を中心に広がっている。米国政府やカナダ政府、英政府、欧州委員会などが業務用端末での同アプリ使用を続々と禁止した他、米連邦議会下院の外交委員会は1日、米国内での一般利用を禁じる法案を可決した。23日にはショウ・ジ・チュウCEOが、米議会の公聴会で初めて証言している。
「このプラットフォームの未来に対する不安が高まり、消費者やブランドに驚くべき波及効果をもたらす可能性があります」と語るのは、インフルエンサーマーケティングのエージェンシー「ビリオン・ダラー・ボーイ(Billion Dollar Boy)」の欧州代表で共同設立者であるトーマス・ウォルターズ氏。「これに驚いた一部の消費者やブランドが、同アプリに費やす時間や予算を減らす可能性が懸念されます。ティックトックで多くのフォロワーを獲得し、なおかつ他のプラットフォームとはコンテンツが合わないブランドやクリエイターにとって、課題となるでしょう」。
中国のECアプリ、グーグルで配信停止
グーグルはアプリストア「Google Playストア」で、中国のECアプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」を配信停止した。このアプリにマルウェアが仕込まれていたバージョンがあるとして、既にダウンロードしたユーザーにはアンインストールするよう通知している。
中国ではGoogle Playストアが規制されているため、配信停止は中国以外のユーザーに適用される。なお拼多多傘下のECアプリ「Temu(ティームー)」は停止されていない。
TikTokの広告収入は大幅増と予測 WARCメディア
中国系アプリに逆風が吹く一方で、WARCメディアはティックトックの2023年の広告収入が152億米ドル(前年比52%増)に達すると予測している。マーケティング担当者の75%が、同プラットフォームでの施策展開を拡大予定だという。広告費が縮小傾向にあるカテゴリーも含む全ての製品カテゴリーで、ティックトックへの広告費が増えるとの見通しだ。
ティックトックは、最もダウンロードされたアプリランキングで3年連続首位に立つ。特に若いオーディエンスにリーチしたいと考えるブランドにとって、不可欠なプラットフォームとして人気を博してきた。
ツイッター社、プレス窓口への問い合わせに絵文字で自動返信
ツイッター社のイーロン・マスクCEOは19日、「プレス向けのメールアドレスは現在、の絵文字を自動返信します」とツイートした。詳しい意図などは不明。同氏は昨年10月末の買収以降、わずか1週間でコミュニケーション部門のほとんどを解雇している。
[email protected] now auto responds with
— Elon Musk (@elonmusk) March 19, 2023
同氏が返信にこの絵文字を使ったのは、今回が初めてではない。昨年5月、当時のパラグ・アグラワルCEOとスパム対策についてやりとりした際にも、絵文字のみを投稿した後に、質問を投げかけていた。
休業中のマンダリン オリエンタル、顧客をライバルに託す
マンダリン オリエンタル シンガポールは改装のため、今月から9月まで休業する。そこで同ホテルのゼネラルマネージャーは、ラッフルズやフォーシーズンズなど近隣にある競合のホテルに宛てて、手紙を書く。
「シンガポールに到着したすべてのゲストは、最高のおもてなしで迎えられるべきであると、皆さんもお考えでしょう」。そして休業中もマンダリン オリエンタルのゲストをもてなしてほしいと託し、「貴館のワールドクラスのサービスは、マンダリン オリエンタルで過ごした時間を思い出させてくれることでしょう」と締めくくる。企画・制作はフォースマン&ボーデンフォース。
【お知らせ】
世界広告主連盟(WFA)やCampaignなど10社・団体が、第2回目となるDEI調査を実施します。対象となるのは日本や米国など33市場で、広告・マーケティング業界におけるDEI(多様性、公平性、包摂性)の進捗を調べるものです。詳しい内容はこちら(英語)。
期間は3月15日~4月15日、所要時間は15分ほどです。日本語でもご回答いただけますので、ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。
前回(2021年)の調査結果をまとめた動画
(文:田崎亮子)