AnyMind Group(エニーマインドグループ、本社・シンガポール)傘下でインフルエンサーマーケティングビジネスを担うCastingAsia(キャスティングアジア)が、東京でインフルエンサーネットワークをスタートさせた。東京五輪・パラリンピック大会を来年に控え、高まる需要に応えようというもの。新設のネットワーク「AnyStyle.Tokyo」は日本在住の外国人インフルエンサーやコンテンツクリエイター、海外在住で日本文化の情報を発信するインフルエンサー、クリエイターらをサポートする。
鍵となるのは、海外でますます高まる訪日旅行の人気だ。また、五輪・パラリンピックのような国際的イベントが幅広い業界に生む「期待感」もビジネスチャンスとなる。
日本政府観光局の統計によれば、2011年の東日本大震災を境に訪日客は急増している。2018年の訪日客数は3120万人で、前年比8.7%増。統計を取り始めた1964年以降で最も多い数字を記録した。五輪・パラリンピックが開かれる来年、政府は4000万人の誘致を目指す。
「今の日本市場はインバウンド、アウトバウンドの双方でマーケティングへの需要が大きく伸びている。インフルエンサーマーケティングを活用して究極のオーディエンスにリーチすることが、世界のマーケターにとって非常に重要です」と話すのは、AnyMind Group CEOで共同創業者の十河宏輔氏。「我々のプラットフォームにはCPA(顧客獲得単価)やCPC(クリック単価)が把握できる機能が追加された。こうした点も生かしながら、インフルエンサーマーケティングのアクセシビリティとアドレサビリティを世界レベルで高めていきたい」。
現在、AnyStyle.Tokyoに所属するインフルエンサーやコンテンツクリエイターは30名以上。ゲーマーで米国出身のケビン・ラシーン(XpertThief)、ジャーナリストでロシア出身のシャモフ・ドミトリー、ファッションが専門のベトナム系豪州人キム・ダオなどがいる。
CastingAsiaは世界17カ国以上の市場で10万人を超えるインフルエンサーやセレブリティ、クリエイターのネットワークを持つ。マーケターにとっての利点は、インフルエンサーマーケティングを展開しながらリアルタイムでキャンペーンの分析やインサイトを得られることだ。またインフルエンサーは、行動管理からキャンペーンへの参加、ギャラの受け取りまでCastingAsiaのモバイルアプリ一つで対応ができる。
(文:ジェシカ・グッドフェロー 翻訳・編集:水野龍哉)